人物

藤浪晋太郎 (Shintaro Fujinami)

藤浪晋太郎(ふじなみ・しんたろう)さんはドラフト1位で阪神タイガースへ入団、後にメジャーリーグのオークランド・アスレチックスへ移籍、現在はメジャーリーグのボルチモア・オリオールズに所属しているプロ野球選手です。そしてなんと、日本人投手として歴代最高球速の記録保持者でもあります。ここではそんな藤浪晋太郎さんのプロフィールを紹介しながら、その人物像に迫ります。

山本 光代

目次
藤浪晋太郎

プロフィール

藤浪晋太郎(Shintaro Fujinami)さんは大阪府出身のプロ野球選手です。身長198cmから振り下ろされる豪速球を武器に大活躍。日本人投手の歴代最高球速の記録保持者として注目されています。小学校1年生の時に野球を始め、中学校3年生の時にAA世界野球選手権大会に出場。大阪桐蔭高校へ進学し、2年生の春からエースを務めました。甲子園では春夏連覇、岐阜国体優勝に貢献。AAA世界野球選手権大会の日本代表にも選出されました。

2012年のドラフト会議で4球団から1位指名を受け、阪神タイガースに入団。高卒新人としては史上最速のプロデビューを果たします。2022年オフにポスティング・システムでオークランド・アスレチックスと契約、7月にはボルチモア・オリオールズへ移籍。8月に行われたニューヨーク・メッツ戦では日本投手最速となる102.6mph(約165.1km/h)を記録しました。

プライベート

家族構成は父親の藤浪晋(すすむ)さん、母親の明美さん、弟の滉二郎さんの4人。小中学生の時から身長が高いことから、高校時代は「なにわのダルビッシュ」と呼ばれていました。大阪出身にも関わらず、父親の影響で読売ジャイアンツファン。読書が趣味で、野球関係の本、マンガをはじめ、東野圭吾氏、山田悠介氏の小説を愛読しているんだとか。

小さい頃から英語教室に通い、学校での得意科目は英語。中学3年で英語検定準2級を取得。英語力が高く、オークランド・アスレチックスの入団会見の時に行った英語でのスピーチは圧巻!流暢な発音でユーモアを交えた素晴らしいスピーチが話題となりました。なお、かの大谷翔平選手と同学年の良いライバル関係にあり、大谷選手がホームラン王になった際には祝福するコメントを寄せたということです。

気になる彼女の存在ですが、藤浪さんは「いないです」ときっぱり答えています。なんでも移籍1年目の今季は自分の野球のことだけで必死だということ。好きな女性のタイプは素直な人、「ありがとう・ごめんなさい」を素直に言える人、譲り合いができる人だそう。なお、結婚願望はあり、子どもは欲しいということです。

選手としての特徴

藤浪晋太郎さんは、メジャー1年目の成績が大谷翔平選手のメジャー1年目の成績を上回るほどの実力の持ち主です。197cmの長身から繰り出す平均球速約151km/h、最速165km/hのストレートと高速スライダーに近いカットボールが武器。ストレートには動きがあり、球速よりも球質を重視。四死球と暴投が多く、コントロールが課題だと言われていますが、技術の修正能力が非常に高いところが評価されています。

藤浪晋太郎の選手としての特徴

活躍の軌跡

藤浪晋太郎さんは竹城台東小学校小学校1年生の夏、友達が地元の少年軟式野球チームである竹城台東少年野球クラブに入団したのをきっかけに野球を始めました。

6年生の時には身長が180㎝にまで成長し、マウンドに立つと高校生が投げているのかと言われたことも。堺市立宮山台中学時代は「大阪泉北ボーイズ」に所属。主に投手を務め、球速は最速142km/hを記録しています。中学3年時にはAA世界野球選手権大会の日本代表に選出されて世界大会にも出場。中学卒業時には身長が194cmもあったとのこと。それでは過去のあゆみを追ってみましょう。

プロ入り前

中学卒業後、野球の超名門校である大阪桐蔭高校へ進学。選手層が厚いのにも関わらず1年の夏からベンチ入り、2年春からエースに。3年春のセンバツでは史上初の全5試合で150km/h以上を計測して優勝。夏の甲子園では決勝史上最速となる153km/hを記録、史上7校目の春夏連覇を達成。秋に第25回AAA世界野球選手権大会の日本代表に選出され、防御率1.11の成績を残し、べストナインに相当する「オールスターチーム」に選出。国際野球連盟の2012年18歳以下男子年間最優秀選手に選出。ぎふ清流国体では仙台育英高校と同時優勝、史上3校目の「三冠」を達成。

2012年

ドラフト会議で阪神タイガース、オリックス・バファローズ、東京ヤクルトスワローズ、千葉ロッテマリーンズの4球団から1位指名を受け、抽選の結果、阪神が交渉権を獲得。「打倒巨人の意味を込めて背番号19を背負って欲しい」と背番号「19」が提示され、11月15日に契約金1億円+出来高5,000万円、年俸1,500万円で仮契約。国際大会の18Uでは大谷翔平、森友哉、田村龍弘各選手と共に日本代表に所属、先発投手として好成績を残し、大会後ベストナインとして表彰。翌年、2012年度のU-18最優秀選手に選出。プロ1年目のシーズンは高卒新人10勝を記録し、新人特別賞を受賞。

2013年

1年目シーズンの勢いそのままに、4月に中継ぎを初経験し、先発登板で初勝利。その後怪我で登録抹消され、途中勝ち星に恵まれないこともあったがオールスター前には6勝。オールスターでは2戦目に登板、後半戦も好調。8月にリーグ投手月間MVPに選ばれる。球団史上2人目となる2年連続2桁勝利を記録。セ・リーグから連盟特別表彰として菅野智之選手と共に新人特別賞を受ける。12月には3倍増の推定年俸4,500万円で契約を更改。

2014年

フォーム改造などで苦しむが、復調し勝ち星を重ねる。高卒初年度からの2年連続10勝を達成。読売ジャイアンツとのクライマックスシリーズ第1戦でCS初登板。20歳6ヶ月でセ・リーグ最年少記録を更新。日本シリーズ進出に貢献。10月に日米野球2014の日本代表に選ばれ、日本プロ野球80周年記念試合の阪神・巨人連合チームにも選出。

2015年

体幹が強くなりフォームが安定GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン対欧州代表の日本代表に選出。シーズンでは、5月20日の読売ジャイアンツ戦でプロ初完封を記録。オールスターゲームに3年連続で選出され、第1戦でMVPを、レギュラーシーズンでは14勝7敗、221奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得。3年連続2桁勝利。オフに右肩関節炎を発症、プレミア12は辞退し、代役に同期入団のヤクルト小川泰弘選手が入った。

2016年

オールスターに4年連続出場。怪我の影響がありつつも、9月の広島戦で最速160km/hを記録。

2017年

第4回ワールドベースボールクラシックに日本代表選手として選抜。1次ラウンドの中国戦で先発の武田翔太に続く第2先発投手としてWBC初登板を果たす。日本代表の最終成績はベスト4。4月シーズン初登板のヤクルト戦で5回を9四死球と荒れ、さらに畠山和洋の頭部付近に当て乱闘に。5月にリーグワーストの36四死球を出したところで自身初の二軍落ち。7月には二軍戦で7四死球7失点した上、頭部へ死球をし自身プロ初の危険球退場に。

2018年

開幕を一軍で迎え、6月の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でシーズン初勝利。しかし一軍と二軍の行き来を繰り返し、7月以降は1ヶ月半の二軍調整に。9月に一軍に昇格し、DeNA戦で満塁ホームランを記録。 

2019年

開幕から二軍で調整。8月1日の中日戦でシーズン初登板、公式戦での登板はこの1試合だけに終わり、プロ入り初の未勝利に終わる。

2020年

3月に新型コロナウイルスに感染した疑いでPCR検査を受け、翌日に陽性であることが発表される。日本プロ野球で初の感染を公表した選手に。大幅に出遅れるも8月に2年ぶりの勝利投手となる。9月から中継ぎで緊急登板、10月のヤクルト戦で球団最速の162km/hを記録。

2021年

自身初の開幕投手に任命される。昨年後半の投球内容を継続、安定した内容での先発白星を飾る。

2022年

昨年に引き続き開幕投手に任命されるが、またもやコロナに感染、復帰後は二軍生活を送る羽目に。しかし、後半戦になって投球フォームを変えたところ、これまでの制球難が嘘のように改善され好調となる。9月のDeNA戦で通算1000奪三振を達成。シーズン終了後ポスティング制度を申請。

2023年

オークランド・アスレチックスへ移籍、契約は1年で契約金額は約4億2000万円。4月のロサンゼルス・エンゼルス戦でデビュー。5月のテキサス・レンジャーズ戦でメジャー初勝利を挙げた。コーチ陣の指導により打者を抑えるようになり、アスレチックスでシーズン最多となる7勝をマーク。投球スタイルを改善したのが買われて、7月にトレードでボルチモア・オリオールズに移籍。

【藤浪晋太郎 2者連続三振】圧巻の投球で2セーブ!

まとめ

藤浪晋太郎さんは日本人とは思えないほどの恵まれた体格を持つ、生まれながらのスター選手です。高校時代には甲子園連覇、ドラフト1位で阪神タイガースへ入団、2023年にはメジャーリーグに移籍と、怖いものなし。160km/hを超えるストレートの豪速球は、見ているだけでワクワクします。関西出身でお笑いのセンスが高いところも見逃せません。また、その才能を生かすだけでなく、常にアップデートする姿勢も見習いたいところ。これからも世界の舞台で、大活躍していって欲しいと思います。