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テザーとは

山本 光代

目次

テザー(Tether)は仮想通貨の一種。ビットコインやイーサリアムなどといった、よく知られている他の仮想通貨とは大きく異なった仕組みを持つデジタル資産です。

この記事では、「ステーブルコイン」と呼ばれるこのテザーについて、特徴やメリット・デメリットを含めてできるだけわかりやすく解説していきます。

テザーの特徴

テザー(Tether)は、テザー社が発行している仮想通貨です。「Tether」には日本語に訳すと「繋ぐ」という意味があり、その名の如く、米ドルの価値と連動しています。

1ドル(USD)がおよそ1USDTになるように固定されており、発行したテザー(USDT)とテザー社が所持している米ドルを同量にすることで価値が保たれる仕組みとなっています。

取引所、ウォレット、金融サービス、ATMなどにおいて、法定通貨に価値が紐付いている、いわば価値が安定している仮想通貨として利用することができ、また、ブロックチェーン技術を活用することで、米ドルと同じ価値の資産を、個人間で簡単に、国境を越えて迅速で安全に、そして低いコストで送受信することができます。

運営会社

テザー社はビットコインの愛好家やアーリーアダプターのグループによって2014年に設立、2015年からテザー(USDT)の利用が開始されました。

現在、テザー社のチームは暗号化の専門家やオーナーシップを持った起業家タイプのメンバー、熱烈な仮想通貨支持者などで構成されています。取引所、ウォレット、ペイメントプロセッサー、金融サービス、ATM、個人が、ブロックチェーン上の仮想通貨を簡単に利用することができるようサポート、更なる前進と高い目標を掲げてチーム一丸となって業務に勤しんでいます。

会社名

Tether Operations Limited.

設立

2014年

最高経営責任者

ジャン・リュードヴァイカス・ヴァン・デァ・ヴェルデ

最高財務責任者

ジャンカルロ・デバジーニ

顧問弁護士

スチュアート・ホーナー

オフィス

香港、アメリカ

メール

[email protected]

公式サイト

tether.to

テザーの安全性

テザー社は世界中のあらゆる法律と規制を遵守した、安全な製品を構築することを目標としています。プラットフォームは常に透明性が保たれるように設計されており、最先端の厳格なセキュリティシステムを採用、高い安全性が約束されています。ビットコインのブロックチェーンを使用しているため、既にその精度が確認されているブロックチェーンネットワークの固有の安定性を受け継いでいます。

テザーの使い道は?

テザーは米ドルと連動しているので、長い期間にわたり価格が一定です。大きな価格変動がないため、仮想通貨市場の不安定性を回避するために使用することが可能となっています。

要するに、購入した仮想通貨をテザーに両替しておけば、将来的に価格変動の影響を受けずに済むので「避難先」として利用することができるというわけです。

また、自国の通貨の信頼性が危ういような国では、資産をその通貨で保有せずにテザーに換金しておけば、経済のマイナス影響を受けずに済むというメリットがあります。

テザーの入手方法は?

テザー(USDT)を手に入れるには、まず日本円でビットコイン(BTC)を購入して

、その後にビットコインをテザーに替える、という流れが一般的です。

テザー自体は国内の仮想資産取引所では取り扱っていませんので、海外取引所で入手することになります。

おすすめの仮想通貨取引所

テザーを取り扱っているおすすめの海外仮想通貨取引所をご紹介します。

  • バイナンス(Binance)

    バイナンスは2017年に中国で誕生。世界一登録者が多く、テザー(USDT)の取引高は取引所の中で堂々の第1位を誇っています。手数料が安く、取り扱い仮想通貨の種類が1,000種類以上と豊富、バイナンスが発行しているBNB(バイナンスコイン)で支払うとさらに割引があり、お得に利用することができます。

  • ビットフィネックス(Bitfinex)

    ビットフィネックスは2012年に設立、香港を拠点とする仮想通貨取引所です。ビットコインの取引量が世界一、「レンディング取引」という、自分が保有している仮想通貨を貸し出して利益を得る取引ができるシステムを備えています。

  • ポロニエックス(Poloniex)

    ポロニエックスはアメリカを拠点とする仮想通貨取引所です。ビットコイン、イーサリアムといった知名度の高い仮想通貨はもちろん、テザーにも非常に力を入れています。また「草コイン」と呼ばれるマイナーな仮想通貨も扱っており、手数料が比較的安く、レンディング取引もできるといった特徴があります。

  • ビットレックス(Bittrex)

    ビットレックスは2014年にアメリカで設立、200種類以上のアルトコインを取り扱っている大手仮想通貨取引所です。セキュリティが高く、スマホアプリでの取引も可能なので非常に便利。ユーザー同士で仮想通貨の売買もできるようになっているので、仮想通貨の扱いにある程度慣れた方におすすめの取引所です。

テザーのウォレット

テザーは取引所に預けっぱなしにしておくこともできますが、ウォレットに保管しておく方が安全です。

  • 公式ウォレット

    テザーにはウォレットの公式アプリがあり、シンプルな画面で使いやすいのでおすすめです。Android用、iOS用、どちらも用意されています。

  • ハードウェアウォレット

    ハードウェアウォレットはインターネットにつながっていないのでハッキングの心配がなく、盗難などの被害に遭うリスクを下げることができます。レジャーナノS(Ledger Nano S)がおすすめです。

テザーの使い方

テザーを利用する流れは以下のようになります。

  1. ビットフライヤー(bitFlyer)やコインチェック(Coincheck)、バイビット(Bybit)などの国内取引所でビットコインを購入する
  2. バイナンス(Binance)やポロニエックス(Poloniex)などの海外の取引所にビットコインを送金して、テザー(USDT)に替える
  3. 購入したテザーは利用するまでウォレットに保管しておく

テザーのメリットとデメリット

テザーはビットコインなどの仮想通貨と全く性質が違うので、メリットやデメリットも大きく異なります。

【メリット】

  • 価値が安定している

    テザーは米ドルとの価値がほとんど同じなので、値動きが激しい不安定な仮想通貨市場においても安心して保有したり送金することができます。

  • 海外の多くの取引所が取り扱っている

    特にアメリカの取引所を中心に取扱いが多いので、取引がしやすいです。

  • 透明性が高い

    テザーの価値は毎日公表されるので、常に最新の情報を得ることができます。

  • ブロックチェーン技術

    テザーはブロックチェーン技術の上に構築されているので、セキュリティが強固です。

  • ステーブルコインの中で発行額が最も多い

    ステーブルコインの中で最も時価総額が高く、供給量全体のほぼ90%を占めているので、安心して保有し、取引のツールとして使うことができます。

【デメリット】

  • リスクが高い

    テザー(USDT)はテザー社による中央集権体制で管理されているので、会社の不正行為やハッキング、破綻による影響を直に受け、一気に価値を失う可能性があります。

  • 送金ミス

    アドレスの打ち間違いなどで誤送金してしまうと、保証がないので送金したお金が消えてしまう可能性があります。

  • 投資対象にならない

    テザーは米ドルと連動しているので、将来的に大きな値上がりが期待できる投資対象にはなりにくいです。

  • テザー疑惑

    「テザーの発行額と米ドルの金額が本当に一致するのか」という疑惑でニューヨーク司法当局より起訴され、最後まで不正を行なった事実は認めなかったものの、2021年2月23日に1,850万ドルの和解金を支払って終了しているという過去があります。

テザーが利用できる場所

テザーは主に仮想通貨の取引や取引所間の資金移動に活用されています。他にも貯蓄や寄付、そしてテザーオンラインカジノなどのインターネット上のエンターテインメントでの支払いに利用されています。

他の仮想通貨

現在、世界中に存在する仮想通貨はなんと2100種類以上!その中で日本で取引ができる仮想通貨は14種類となっています。

  1. ビットコイン(Bitcoin/BTC)
  2. ライトコイン(Litecoin/LTC)
  3. リップル(Ripple/XRP)
  4. イーサリアム(Ethereum/ETH)
  5. エイダコイン/カルダノ(Cardano/ADA)
  6. ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)
  7. イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)
  8. モナコイン(Monacoin/MONA)
  9. ネム(New Economy Movement/NEM)
  10. ファクトム(Factom/FCT)
  11. リスク(Lisk/LSK)
  12. ステラルーメン(StellarLumens/XLM)
  13. クアンタム(Quantum/QTUM)
  14. ベーシックアテンショントークン(Basic Attention Token/BAT)

まとめ

テザーは米ドルと連動した安定性の高い仮想通貨なので、安全な取引きが期待できます。知名度の面ではビットコインに比べるとまだまだ低いですが、テザーにしか果たせない役割があり、将来的にますます重要性を増してくる仮想通貨であるとも考えられるでしょう。

よくある質問

テザーの買い方は? 

テザー(USDT)を手に入れるには、まず国内の取引所でビットコイン(BTC)を購入、そのビットコインを海外の取引所でテザーに替える、という手順になります。

ステーブルコインとは?

「ステーブル」とは「安定した」という意味です。ステーブルコインとは、ドルや円といった法定通貨を軸にする通貨のことを指します。

テザーゴールドとは?

Tether Gold(テザーゴールド)はテザー社が新たに発行した仮想通貨です。スイスの金庫室に保管されている現物のゴールド(金)と連動した通貨になります。