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ギャンブル依存症の症状と診断

ギャンブル依存症、ギャンブル中毒、ギャンブル障害、病的ギャンブル、強迫的ギャンブルなど、さまざまな呼ばれ方をするギャンブルによる問題症状。正確な定義は人によって異なるかもしれませんが、いずれも核心は変わりません。これらは全て、有害でネガティブな状況下にあってもギャンブルを続けたいという強い衝動があったり、やめたいという気持ちに逆らえない心理的状況を指して言うものです。

雅史 吉川

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目次
ギャンブル依存症の症状と診断

ギャンブルはひとたび悪影響を及ぼすものに発展すると、人生を破滅させる存在になる可能性があります。そのため、何かが間違っていると感じたら、自分のギャンブルの習慣を振り返って適切な行動を取ることが必要です。

このページでは、自分のギャンブル癖、あるいは身近な人のギャンブル癖が問題になっていると感じている方に参考になる記事を掲載して、わかりやすく解説します。

ギャンブル依存症の定義

ギャンブル依存症とは、有害であったり否定的な結果が出ているのにもかかわらず、継続的にギャンブルをしたいという衝動のことです。いったんギャンブル依存症になると、ギャンブルの習慣が自分、そして周囲の人に悪影響を及ぼしていることがわかっているのにやめられず、プレイをし続けます。

日本ではギャンブル依存症になる人は「意思が弱い」「だらしない」からやめられないのだとみなされがち。ですが、ギャンブル依存症は病気です。病気にかかってしまっているからギャンブルがやめることができないわけなので、きちんと治療すれば回復できるものなのです。

ギャンブル依存症の症状

ギャンブル依存症の症状は個人によって異なるため、非常に多岐にわたりますが、カテゴリによって分けると以下のようになります。

  1. 金銭関係

    「ギャンブルが原因で多額の損失を出す」「大金を獲得したいという欲求がある」「お金をすべて失うまでプレイする」「負けたお金を取り戻そうとする」「ギャンブルでスリルを味わいたい」「ギャンブルのためにお金を借りている」「ギャンブル以外にお金を使いたくない」「ギャンブルの資金調達のために犯罪を犯す」といった症状です。

    ギャンブル依存症の初期段階では、お金を稼ぎたいという欲求がしばしば見られます。人生を変えるような大勝利を夢見る人もいれば、生活費をどうにかしたいと考える人まで様々ですが、そのための手段としてギャンブルを利用するのは非常に危険であり、絶対に避けなければならないことです。

    ギャンブルはほとんどの場合、カジノ側に有利なように設定されています。プレイヤーは常に不利な立場にあり、長期的に勝つことはできません。もちろんラッキーが重なって大勝ちすることもあるでしょう。しかし、それを持続させるのは不可能であると考えておかないといけません。

  2. 時間関係

    「ギャンブルする時間がどんどん増えていく」「予定していた時間よりも長く遊ぶことが多い」「家族や友人よりもギャンブルの時間を優先する」などといった症状です。

    ギャンブル依存症が進行すると、ギャンブルに割く時間がますます大きくなり、最終的には他の日常活動をむしばんでいきます。ギャンブルが生活の中心になるので睡眠、食事以外に何もしないどころか、睡眠に支障をきたす事態にまで発展します。

  3. 仕事関係

    「ギャンブルのために仕事を休む」「作業効率や集中力が低下している」「野心や目標がなくなった」といった症状です。

    ギャンブルに費やす時間が増えてくると、仕事に支障をきたす可能性が大きいです。四六時中ギャンブルのことで頭がいっぱいで他のことに集中できなくなり、仕事の成果を気にしなくなり、最終的には仕事が無意味で時間を割く価値がないものに思えてきます。

  4. 人間関係

    「家族や友人と遊ばなくなった」「ギャンブル関係のことで人に嘘をつく」「ギャンブル優先で評判がガタ落ち」などといった症状です。

    ギャンブル依存症によって、社会生活や人間関係も損なわれます。ギャンブル依存症が進行するとすべてギャンブルが優先になり、家族、友人、パートナー、同僚と連絡を取らなくなります。

    これが行き過ぎると取り返しのつかないことになり、一度壊れた信頼を取り戻すのは非常に困難。評判もガタ落ち、ギャンブルの習慣について嘘をつくはめになり、ますます他人との間の溝が深まります。

  5. 心理関係

    ギャンブル依存症は行動的な依存症であるため、その症状や兆候のほとんどがその人の精神的な健康に関係していることが多いです。「イライラする」「恐怖心がある」「眠れない」「自殺を考える」などといった心理状態の時にギャンブルを行って、不安から逃れようとします。

    ギャンブルをしている間は興奮するので、一時的にハイな状態になり、自分の問題が消え去ったように感じます。しかしギャンブルを終えると急激に恐怖が襲い、その恐怖は非常に強い感情であるため、大変危険です。

    人間誰でも弱い面があるので、強い負の感情を感じた時に逃避先を探すのは当然のこと。しかしその問題から逃れる手段としてギャンブルを利用するのは良くなく、状況を悪化させ、克服するのを難しくするだけです。

ギャンブル依存症診断 

ここでは、ギャンブルの習慣が安全か、問題があるかを判断するのに役立つ「ギャンブル依存症診断」を2つご紹介します。いずれも自分がギャンブル依存症かどうかを判断する簡単な方法です。

  1. ギャンブラーズ・アノニマスの診断

    世界最大のギャンブル依存症自助グループ「ギャンブラーズ・アノニマス」では20の質問からなるアンケートを使用しています。

    1. ギャンブルのために仕事や学校を休んだことがありますか?
    2. ギャンブルが原因で家庭が不幸になったことがありますか?
    3. ギャンブルが自分の評判を落としたと思いますか?
    4. ギャンブルをして後悔したことがありますか?
    5. 借金の返済やその他の経済的困難を解決するために、ギャンブルをしたことがありますか?
    6. ギャンブルが原因でやる気や効率が落ちたことがありますか?
    7. 負けた後、できるだけ早く負けた分を取り戻さなければならないと感じましたか?
    8. 勝った後、もっと勝ちたいという強い衝動に駆られましたか?
    9. お金が全部なくなるまでギャンブルをすることが多いですか?
    10. ギャンブルのために借金をしたことがありますか?
    11. ギャンブルの資金調達のために何かを売ったことがありますか?
    12. 通常の支出に「ギャンブルのお金」を使うことに抵抗がありましたか?
    13. ギャンブルのために自分や家族のことをおろそかにしたことがありますか?
    14. 予定よりも長い時間ギャンブルをしたことがありますか?
    15. 心配、悩み、退屈、孤独、悲しみ、喪失感から逃れるためにギャンブルをしたことがありますか?
    16. ギャンブルの資金調達のために違法行為を行った、または行おうとしたことがありますか?
    17. ギャンブルが原因で睡眠不足になりましたか?
    18. 口論、失望、フラストレーションなどで、ギャンブルをしたい衝動に駆られることがありますか?
    19. 何か良いことがあったときに、ギャンブルをしてお祝いしたいという衝動に駆られたことはありますか?
    20. ギャンブルの結果、自殺を考えたことがありますか?

    このアンケートはギャンブラーズ・アノニマスのサイトに掲載されているもので、20の質問のうち7つ以上に「はい」と答えるとギャンブル依存症の疑いありとされています。

  2. DSM-5の診断

    個人がギャンブル依存症に罹患しているかどうかを判断する最も広く使用されている方法です。DSM-5では、以下の基準でギャンブル依存症を診断しています。

    1. 興奮を得るために、より多くの金額を賭けたいと思う
    2. ギャンブルをやめようとすると、気分が落ちつかずイライラする
    3. ギャンブルを減らしたりやめるための努力をしたが、何度も失敗している
    4. ギャンブルに夢中になることが多い
    5. 落ち込んでいる時や不安な時にギャンブルをすることが多い
    6. ギャンブルで負けた後、取り戻そうとすることが多い
    7. ギャンブルをしてないと嘘をついたことがある
    8. ギャンブルのせいで人間関係や仕事、教育やキャリアの機会を危険にさらしたり、失ったりしたことがある
    9. ギャンブルが原因で他人にお金を借りたことがある

    これらの質問のうち少なくとも4つが当てはまると感じた場合、ギャンブル依存症の可能性があります。重症度は3段階に分けられており、4~5項目当てはまる場合は軽度、6~7項目の場合は中等度、8~9項目の場合は重度であると考えられています。

ギャンブル依存症になった場合の対処法

自分や身近な人のギャンブル習慣に問題があるかもしれないと気づいたときは、直ちに行動を起こしましょう。ギャンブル依存症の克服や治療には、自己努力で改善するやり方から、ヘルプライン、サポートグループ、さらには入院可能なリハビリクリニックまで、さまざまな方法があります。

各自の状況やギャンブル習慣の深刻さによってギャンブル依存症の克服に最も適した方法は異なりますが、最も重要なことは、ギャンブルが手に負えなくなってきたと感じたらいち早く行動を起こすことです。何もせずに放っておくと事態が悪化するばかりなので、良いことは一つもありません。

最後に

日本は世界有数のギャンブル大国であり、世界一ギャンブル依存症の多い国という不名誉な称号を得ています。そのような状態であるのにも関わらず、ギャンブル依存症に対しての社会的な理解度が低く、社会全体が冷淡であるのが現状です。

そんな中、ギャンブルが生活に悪影響を与えていると感じている場合や、やりたくてもやめられない場合は、自らギャンブルの習慣をよく観察し、適切な行動を取らないといけません。

「自己責任」であるとはいっても、問題が起こってしまった以上、一人で悩みを抱え込む必要はありません。しんどいなと思ったら誰かを頼れば良いのです。まずは周りの信頼できる人に相談、もし誰も思い浮かばなければ、恐れずに自助グループに助けを求めましょう。