団体

原子力安全技術センターについて

目次

原子力安全技術センターは、原子力の安全の確保や健全な発展のために設立された公益財団法人です。放射線障害防止法に基づく業務、原子力防災に関する業務、原子力安全の確保に関する研究や講習会の開催、そして国際交流なども行っています。

原子力安全技術センターとは?

戦後、急速に発展する日本において放射線は生活に不可欠なものとなりました。そこで国による放射線の安全規制が必要になり、1980年「財団法人放射線安全技術センター」が設立されました。

1986年、事業の範囲を原子力全般に拡大し、原子力防災に関する業務も開始。SPEEDIネットワークシステムを取り入れ、放射線障害防止法に基づく登録機関業務、原子力防災に係る国等の支援業務、その他原子力安全の確保に関する業務を行っています。

原子力安全技術センター 公式サイト

公式サイト

スクリーンショット

【センターのあゆみ】

  • 1980年 放射線安全技術センターの名称で設立
  • 1981年 放射線障害防止法による指定試験機関となる
  • 1986年 原子力安全技術センターに名称変更
  • 1986年 SPEEDIの運用開始
  • 1990年 SPEEDIスーパーコンピュータ導入
  • 1992年 国際シンポジウム開催
  • 1993年 緊急技術助言対応システム(COSTA)の導入・整備を開始
  • 1995年 動燃「もんじゅ」ナトリウム漏洩事故発生
  • 1997年 動燃東海事業所アスファルト固化処理施設で火災爆発事故発生
  • 1998年 緊急技術助言対応システム(COSTA)を原子力安全委員会へ接続
  • 1999年 コンピュータ2000年問題に対応
  • 2000年 原子力災害対策特別措置法施行
  • 2001年 原子力防災研究プラザ竣工
  • 2005年 高度化SPEEDIの運用開始
  • 2010年 韓国原子力安全技術院との情報交換協定締結
  • 2011年 東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故発生
  • 2012年 公益財団法人原子力安全技術センターに名称変更
  • 2013年 登録濃度確認機関となる

SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)とは?

原子力安全技術センターでは、原子力施設が事故を起こした緊急時に周辺の放射性物質の大気中濃度や付近住民の被ばく線量などを予測するシステム、SPEEDI(スピーディ)を運用しています。

SPEEDIのコンセプト

システムの仕組み

FUJITSU.COMのスクリーンショット

【SPEEDIの経緯】

  • 1979年 日本原子力研究所で設計・開発
  • 1984年 完成・運用開始
  • 1990年 原子力安全技術センターに移行・改良
  • 2000年 世界版SPEEDI(WSPEEDI)が整備
  • 2011年 第3世代SPEEDIの開発

SPEEDIとは(System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information)の略で、日本原子力開発研究機構が基本システムを開発しました。このシステムではコンピューターが放射性物質の量を原子炉内の状況、気象条件、地形データに基づいて解析、予測を算出します。

SPEEDIの計算処理は、平常時の処理と緊急時の処理の2種類からなっています。平常時はネットワークを介して気象・環境放射線観測データを収集、気象予測精度分析、同化用デ ータの作成を行いつつ、緊急時に備えています。 緊急時は、気象データ、地形データをもとに、局地気象予測計算の結果を用い、風速計算、放射性物質の濃度計算を行い、被ばく線量などを予測します。

【福島第一事故】

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震と津波によって、東京電力・福島第一原子力発電所で事故が発生。発電の際の冷却に必要な電源と装置の機能が失われたことから水素爆発が起こりました。爆発により原子炉建屋などが破損、放射性物質が大気中に放出されました。

この事故では外部電源の喪失などによって発電所からのデータ送付が行えず、SPEEDIがうまく活用できなかったとされています。SPEEDIがしっかりと活用できていればもっと多くの命が救えたのではないか、早いタイミングで住民避難をさせられたのではないかと指摘されています。

これを受けて2012年9月6日、防災基本計画が修正されました。事故が起こった際には原子力規制委員会がSPEEDIの予測結果を官邸や対策拠点施設、関係都道府県に速やかに連絡、ホームページなどで公表し、住民の避難に役立てることを約束しました。

2014年10月8日、原子力規制委員会は原子力発電所の重大事故での住民の避難範囲を決める際、SPPEDIの予測データは参考情報として扱うに留めると発表しています。

原子力安全技術センターの役割とは?

原子力安全技術センターでは航空機サーベイシステムの開発等、緊急時における防護対策支援技術に関する調査をしたり、原子力防災活動を効率的に進めるため、緊急時の対応に関する調査や防災訓練の実施に関する調査、原子力防災業務関係者を対象とした研修を実施しています。

また、国、地方公共団体、学校、NPO法人等、各地の放射線測定を実施、環境放射線の経時変化確認測定を行ったり、国民の被ばく低減、原子力安全技術を備えた人材の育成を推進しています。

【主な取り組み】

  1. 放射線施設の施設検査、定期検査及び定期確認
  2. 放射性同位元素等の運搬確認
  3. 放射性同位元素装備機器の設計認証
  4. 放射線取扱主任者試験及び資格講習
  5. 放射線取扱主任者の定期講習
  6. 特定放射性同位元素防護管理者の定期講習
  7. 原子力防災支援
  8. 原子力安全技術支援
  9. 環境放射線測定

関連リンク

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 https://www.jaea.go.jp/

放射線障害防止中央協議会 http://www.houchukyo.org/

お問い合わせ

公益財団法人・原子力安全技術センター本部

〒112-8604 東京都文京区白山5丁目1番3-101号 東京富山会館ビル4階
電話:03-3814-7600
FAX:03-3813-4630
ホームページ:http://www.nustec.or.jp/

防災技術センター

〒039-3212 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字野附1番67
電話:0175-71-1185
FAX:0175-71-1175

西日本事務所

〒550-0004 大阪府大阪市西区靭本町1丁目8番4号 大阪科学技術センター3階
電話:06-6450-3320
FAX:06-6447-6900

環境放射線測定、講師派遣など
メール: [email protected]