人物

安倍晋三

安倍晋三(あべ・しんぞう)さんは憲政史上最長となる8年8ヵ月にわたって内閣総理大臣を務めた、日本の政治史に金字塔を打ち立てた政治家です。ここではそんな安倍晋三さんのプロフィールを紹介しながら、その人物像に迫ります。

山本 光代

目次
安倍晋三

プロフィール

安倍晋三(あべ・しんぞう)さんは東京都出身、1954年生まれの政治家です。父親が元外務大臣の安倍晋太郎さん、祖父が元首相の岸信介さん、大叔父が元首相の佐藤栄作という政治家一族に生まれました。

小学校から大学までを東京の成蹊学園で学び、成蹊大学法学部政治学科を卒業後、神戸製鋼所に入社。ニューヨーク、兵庫県、東京で勤務した後、父親の安倍晋太郎外務大臣秘書官に。1993年、総選挙で旧山口1区から立候補しトップ当選。以来、連続7回当選し、2000年、森喜朗内閣の官房副長官に就任、2002年、小泉純一郎内閣でも官房副長官に就任。2003年、自民党幹事長に就任。2005年、小泉純一郎内閣の官房長官として初入閣。

2006年、第90代内閣総理大臣に就任し、2012年にも第96代内閣総理大臣に就任。首相として、通算在職日数3188日という歴代1位を樹立しました。しかし、2022年7月8日、奈良市で参議院議員選挙の街頭演説中に銃撃され、搬送された病院で死去。9月27日に日本武道館で国葬が行われました。

Shinzo Abe

主な経歴

安倍晋三さんの大学時代以降の主な経歴をまとめてみました。

  • 1977年 成蹊大学法学部政治学科を卒業
  • 1977年 米国カリフォルニア州ヘイワードの英語学校に入学、ロングビーチの語学学校に転校
  • 1978年 南カリフォルニア大学に入学。英語研修コースに在籍、1979年に中退
  • 1979年 株式会社神戸製鋼所入社、東京本社・加古川製鉄所などに勤務
  • 1982年 神戸製鋼所を退社、外務大臣である安倍晋太郎の秘書官に就任
  • 1993年 旧山口1区にて衆議院議員に初当選
  • 1999年 衆議院厚生委員会理事に就任
  • 2000年 第2次森改造内閣で内閣官房副長官に就任
  • 2001年 第1次小泉内閣で内閣官房副長官に就任
  • 2003年 自由民主党幹事長に就任
  • 2004年 自由民主党幹事長代理、党改革推進本部長に就任
  • 2005年 第3次小泉改造内閣で内閣官房長官に就任
  • 2006年 第90代内閣総理大臣に就任
  • 2007年 安倍内閣総辞職、自由民主党総裁も辞職
  • 2012年 第25代自由民主党総裁に選出、第96代内閣総理大臣に就任
  • 2015年「平和安全法制整備法」「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」を制定
  • 2016年 リオデジャネイロ五輪の閉会式にスーパー・マリオに扮して登場
  • 2020年 安倍内閣総辞職、自由民主党総裁も辞職
  • 2021年 清和政策研究会の会長に就任
  • 2022年 奈良県内にて参院選2022の応援演説中に射殺される

プライベート

安倍晋三さんは1987年に森永製菓社長ご令嬢である松崎昭恵(まつざき・あきえ)さんと結婚。お二人は昭恵さんの勤務先の上司の紹介で出会い、35年という年月を添い遂げられました。

安倍晋三 プライベート

チャームポイントはよく笑うこと。もともとお茶目で、例えばゴルフに行くと「1ホール1ダジャレ」といって、みんなにダジャレを言わせるなど、面白いことが大好きだったんだとか。また、議員を辞めた後は映画監督になるのが夢だったということです。

掲げていた基本政策

安倍内閣では「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」からなる「3本の矢」の指針からなる「アベノミクス」という政策を打ち立てていました。また、安倍政権は国政選挙に強く、それが政権基盤を強くし、長期政権を可能にしたと言われています。

経済面

  • 日本経済再生本部を創設
  • 東日本大震災被災地復興への支援
  • 若者・女性・高齢者の雇用を促進
  • 脱原発依存、新エネルギー政策へのチャレンジ

憲法・教育面

  • GHQの手による現行憲法から日本人の手による新憲法制定
  • 教育委員会制度・教科書検定・採択制度を見直し
  • 基礎学力の向上・高等教育の国際化
  • 教員組合活動の適正化を図る

外交面

  • 日米同盟をより堅固にする
  • 集団的自衛権行使可能にし、国家安全保障会議を創設
  • 北朝鮮拉致・核武装・ミサイル問題の早期解決に取り組む

社会保障面

  • 若者・子育て支援、障がい者・弱者支援システムの確立
  • 少子化に対応した年金、医療、介護改革。自立を前提とした生活保護制度の見直し

国づくりに関して

  • 官邸機能強化・道州制前提の地方分権を促進
  • 国会改革・行政改革
  • 非常事態に対応した国家緊急体制を創設

地方での取り組み

  • 攻めの農林水産業体制
  • EPA、FTA、TPP推進
  • 安全と地方競争力強化に資する新公共事業の推進

まとめ

「美しい国」を目指し、教育の目標に「愛国心」ということばを盛り込むなど、日本を強くするという揺るぎない信念を持っていた安倍晋三さん。キャッチコピーの「平成の、その先の時代を切り拓く」という言葉通り、積極的に数々の取り組みに力を入れて努められ、歴代最長の政権を築かれました。生前のご功績に心から敬意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

衆議院議員 安倍晋三 公式サイト