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岸田翔太郎

岸田文雄首相を支える首相秘書官として活躍した岸田翔太郎(きしだ・しょうたろう)さん。首相の跡取りとして大いに期待されていましたが、首相公邸での不適切な行動が原因で首相秘書官を辞任する羽目に。ここではそんな岸田翔太郎さんのプロフィールを紹介しながら、その人物像に迫ります。

by  Hokuto Takemoto

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目次
岸田翔太郎

プロフィール

岸田翔太郎(きしだ・しょうたろう)さんは広島県の修道高校を経て、慶応義塾大学法学部政治学科に入学。2014年に卒業し、三井物産株式会社に入社しました。2020年からは父親である岸田文雄氏の議員事務所で公設秘書に。そして2022年10月から2023年5月までの7カ月間、首相秘書を務めます。しかし2023年6月1日、正式に首相秘書官を辞職しました。

岸田翔太郎

修道高校は偏差値70の中高一貫教育を提供する私立男子中学校・高等学校で、県全国的にもトップクラスの難関校です。卒業生には元議員の亀井静香さん、歌手の吉川晃司さん、陸上五輪代表の山縣亮太さん、弁護士の弘中惇一郎さんなどがいます。慶応大学法学部政治学科の偏差値は67.5で、これまでに多くの国会議員や地方議員、外交官などを輩出する有名大学です。また、三井物産は日本の会社の中で3番目に入りにくいと言われているエリート企業となっています。

プライベート

岸田翔太郎さんのご家族は父、母、2人の弟を含めた5人。三井物産時代は「キッシー」という愛称で呼ばれ、誰からも好かれていたのだそうです。2020年に父である岸田首相が自民党の政調会長を務めていた頃は、赤坂の議員宿舎で岸田首相、岸田翔太郎さん、弟の晃史郎さんの3人で暮らしていました。気になる恋人についてですが、2016年に女性と親しそうに写っている写真がFacebookに投稿されていたのを最後に、現時点では彼女に関する情報は確認されていません。

趣味はバドミントン。慶應義塾大学に進学後、KBF(慶應バードフェローズ)という強豪サークルに入り、さまざまな大会に出場し、シングルスでもダブルスでも受賞歴があります。社会人になった後もバドミントンは続けており、休日を利用して大会へも出場していました。

三井物産時代

岸田翔太郎さんは慶応義塾大学を卒業後、新卒で三井物産へ入社。三井物産は入社難易度が非常に高い企業として非常に有名な会社です。勤めていた部署については詳細がわからないのですが、2015年頃は水産加工品を海外へ輸出する事業に携わっていたとのこと。当時の年収は約1000万近くあったということです。

公設秘書時代

2020年3月、岸田事務所で公設秘書となりました。岸田翔太郎さんの仕事面への評価は高く、さまざまな依頼をスムーズにこなす有能な仕事ぶりだったそうです。また、当時の安倍政権時代、父親を内閣総理大臣にするという目標を持っていたということで、政治への強い関心を寄せていたことが伺えます。衆議院議員選挙では、全国を飛び回る首相の代わりに地元の広島で有権者に演説も行っていました。

首相秘書官時代

2022年10月、岸田首相の政務秘書官の職に就くことになりました。岸田首相はその抜擢の理由を「休日・深夜を問わず発生する危機管理の迅速かつきめ細かい報告態勢、党との緊密な連携、ネット情報、SNS発信への対応など、諸要素を勘案し秘書官チームの即応力の観点から総合的に判断した」と答弁。身内とはいえ、信頼度がもの凄く高く、将来性を見込んでいたと考えられています。既に首相就任前のインスタライブでは仕切り役を担当するなど、そのリーダーシップ力を十二分に表していたということ。こうして首相秘書官を2022年10月から2023年5月までの7カ月間、務めることとなります。

更迭となった理由

岸田翔太郎さんは2023年6月1付けで正式に首相秘書官を辞職。事実上の更迭です。首相秘書官に就いてからわずか7ヶ月。これは2022年末の首相公邸での忘年会での悪ノリが決定打となったとされていますが、他にも原因となり得る理由がいくつかあります。問題視された行動については以下の通りです。

  1. ミーハーな行為

    父親である岸田首相がフランスのマクロン大統領と分刻みのスケジュールをこなす中、現地の大使館にパリ市内の観光地を巡るために公用車を出させたり、高価な夕食を希望したり。その次の外遊先であるイギリスでもやはり大使館が回した公用車でロンドン市内を見学、ビッグベン、バッキンガム宮殿などの観光地巡りや老舗百貨店ハロッズで高級なお土産を購入するなど、公務とは関係ない行動を取り続けました。外遊先であったカナダでは「トルドー首相と写真を撮りたい」とわがままな意見を炸裂。予定外の行動で周囲を慌てさせます。こうした首相外遊先での振る舞いについて「観光気分」なのではないかと批判的な意見が挙がっていたということです。

  2. 女性記者とのスキャンダル

    フジテレビの番記者を務めている女性と不倫しており、そのせいで官邸内の極秘情報が外部に漏れている、と疑われてしまいました。本人は断固否定していますが、民放女性記者と合コンを繰り返すなど、そういう疑いをかけられてしまうような言動や行動があったということは事実のようです。

  3. 公的な施設を公私混同

    首相秘書官を辞することの決定打となってしまったのが、「首相公邸での親族忘年会」の実施です。岸田翔太郎さんは、2022年12月30日、首相公邸で親戚約10人を集めて忘年会をしたとのこと。首相公邸は年間の維持費が1億6000万円もかかっている、税金で運営されている公的な場所。いくら首相の親族だからとはいえ、宴会を行なって良いような場所ではありません。公邸内の階段で寝そべってはしゃいだり、また、閣僚の真似事をして「閣僚写真」のようにして面白がって写真を撮っていることも批判を浴びました。

現在の状況

6月1日付で辞職した岸田翔太郎さんは、同月30日に支給された夏のボーナスを全額国庫に寄付。現在は議員会館の岸田事務所で働き、土日は首相の地元広島に帰り、挨拶まわりをしています。また、近頃は異業種間の会食を重ねているといい、さらには酒席で「もし総理になるなら、まず外務大臣を経験してから総理になりたい」と、壮大な野望も口にしているとのこと。これから、一体どのような復活劇を見せてくれるのでしょうか。元々優秀な方であるだけに、速やかに立て直しされることを期待しておきましょう。