吉田正尚
吉田正尚(よしだ・まさたか)さんは現在、アメリカのプロ野球チームであるボストン・レッドソックスに所属し、日本人メジャーリーガーとして活躍するプロ野球選手です。豪快なフルスイングと長距離砲を持ち味とする、非常にパワフルな選手として名を馳せています。ここではそんな吉田正尚さんのプロフィールを紹介しながら、その人物像に迫ります。
プロフィール
吉田正尚(よしだ・まさたか)さんは福井県出身のプロ野球選手です。現在はメジャーリーグのボストン・レッドソックスに所属しており、豪快なフルスイングが魅力の長距離打者として活躍中。
高校時代は1年夏と2年春に甲子園に出場、青山学院大学では4番を任され、2年の7月には第39回日米大学野球選手権大会の日本代表に、3年には第27回ハーレムベースボールウィークの日本代表に、4年の6月には2015年ユニバーシアードの日本代表に選出。その後、ドラフト1位指名でオリックスバファローズに入団。2019年WBSCプレミア12 日本代表、2020年オリンピック野球日本代表。2022年にはボストン・レッドソックスと5年契約を結び、2023年にはワールド・ベースボール・クラシック日本代表となっています。
スイングスピードは150km/h。フルスイングを売りとする打者としては三振が際立って少ないのを特徴としています。なお、「マッチョ」というニックネームを持っており、応援グッズにはダンベル型のバルーンもあります。
プライベート
小学生の頃、父親の正宏さんから1キロの木製バットを与えられトレーニングに励んだ吉田正尚さん。小さい頃は日本のプロ野球よりもメジャーリーグの中継を見ることの方が多く、現在の豪快なスイングが生まれたのはその影響なんだとか。大学時代には筋トレに力を入れ、4年間で10キロ体重を増量!ボールの下からバットを入れる練習や、ボールにスピンをかけるようにして打球が上がるようにと試行錯誤を重ねました。しかし、父親からも高校時代の監督からも「ああしろ、ここしろ」と指導を受けたことはないということ。「向上心、探究心、反骨心が旺盛なこと」を、自身の性格の特徴に挙げています。
プロ入り後、怪我に悩まされたことをきっかけにハンマー投げ選手の室伏広治さんに弟子入りを志願。肉体改造を目指してトレーニングに励みました。2017年にファッションモデル・管理栄養士・実業家である吉田ゆり香さんと結婚。怪我が多くデビュー当初から腰痛で悩まされており、そのために食事、睡眠、トレーニングなどあらゆる部分でセルフケアを続ける「健康マニア」であるそうです。
選手としての特徴
吉田正尚さんは身長173cmというプロ野球選手としては小柄な体格の持ち主。しかし、それを感じさせないほどパワフルなフルスイングを特徴とする長距離打者です。日本人としては珍しく、投球に対して両肩を先に動かしてから腰を高速で回転させる打撃フォームを採用しており、オリックス入団2年目の2017年半ばまではスイングが終わるまでバットを両手で握り続けていました。しかし、このフォームは腰に負担が掛かりやすく、腰痛で何度も試合を断念せざるを得ないことも。2017年のシーズン途中からはスイングのフォロースルーでバットから左手を離すフォームに変更し、筋力トレーニングを工夫することによって負担を軽減するように努めているとのことです。
活躍の軌跡
吉田正尚さんは6歳の時に野球を始めました。卒業アルバムには「将来の夢は、大リーガー」「努力をすればきっと実る」と残されているんだとか。それでは過去のあゆみを年代ごとに見てみましょう。
小学時代
福井市立麻生津小学校に入学し、麻生津ヤンキースで野球を始める。
中学時代
福井市立足羽中学校に入学。2015年からボーイズリーグの名門チームである鯖江ボーイズに所属。2年生で学年唯一のレギュラー入り。
高校時代
甲子園常連校である私立敦賀気比高等学校に入学。1年の夏に4番打者として第91回全国高等学校野球選手権大会に出場。秋に福井県大会優勝・北信越大会準優勝。2年の春に第82回選抜高等学校野球大会へ出場。
大学時代
青山学院大学社会情報学部社会情報学科に入学。東都大学の1部リーグで、1年の春季リーグ戦から4番打者に抜擢。打率.311、1本塁打、7打点を記録して指名打者としてベストナインに。秋季リーグ戦からは3番打者となり、指名打者部門で2季連続のベストナイン選出を果たす。2年の春季リーグ戦では指名打者から外野手へ転向しベストナイン入り。7月には第39回日米大学野球選手権大会の日本代表に。3年の秋季リーグ戦では外野手として2度目のベストナインになり、第27回ハーレムベースボールウィークの日本代表に選出。4年の6月には2015年ユニバーシアードの日本代表に選出され、秋には2部リーグで打率.400、5本塁打を記録。在学中は通算72試合に出場し、打率.277(278打数77安打)、9本塁打、38打点、12盗塁という成績を残した。
2015年
NPBドラフト会議でオリックスから1巡目で指名を受け、契約金1億円、年俸1500万円という条件で入団。
2016年
新人合同自主トレ時に左ふくらはぎ痛、一軍キャンプに呼ばれた後に右脇腹の張りと故障に悩まされたが、フルスイングを評価され、3月19日の阪神タイガース戦で一軍に合流。3月25日の埼玉西武ライオンズとの開幕戦で1番・指名打者としてスタメンで一軍公式戦デビュー。8月18日の北海道日本ハムファイターズ戦でプロ初のホームランを放った。
2017年
腰痛が再発。7月10日の日本ハム戦でシーズン初本塁打。9月3日の西武戦で新人から2年連続の二桁本塁打を記録。11月に腰の手術を受けるため、第1回アジアプロ野球チャンピオンシップ代表を辞退。腰痛や手術の影響で一軍公式戦への出場は64試合(268打席)にとどまったが、打率.311、12本塁打、38打点を記録。12月6日に前年から1000万円増の推定年俸3100万円という条件で契約更改。
2018年
前年の手術の影響でキャンプを二軍で迎えたが、終盤から一軍に合流。シーズン初のホームランを3試合目で記録。夏にはオールスターに初めて選出、初のベストナインを受賞。レギュラーシーズンでは全143試合への出場を果たし、規定打席へ初めて到達。打率.321、26本塁打、86打点という好成績を残す。5400万円増の推定年俸8500万円で契約を更改。
2019年
2年連続で選出されたオールスターでは第2戦でホームランを記録し、敢闘選手賞を受賞。2年連続で全143試合に出場し、リーグ2位の打率.322、29本塁打、85打点を記録、11月に開催された第2回WBSCプレミア12に日本代表として出場し、日本代表の大会初優勝に貢献。プレミア12終了後の11月29日に前年から1億1500万円増の推定年俸2億円という好条件で契約を更改。
2020年
3年連続で全試合に出場し、打率.350で初のタイトルとなる首位打者を獲得。8月に打率.430で月間MVPを受賞するなど、シーズンを通じて高い打率を維持。3年続けてパ・リーグの外野手部門でベストナインに選出。更改後の年俸は2億8000万円で、日本プロ野球在籍6年目で日本人扱いの野手としては歴代最高額となった。
2021年
選手会長となる。オールスターゲームではファン投票のセ・パ両リーグ最多得票選手として出場、ファン投票で選出されたホームランダービーでは初優勝を果たす。2020東京オリンピックの野球競技に日本代表の一員として出場し、金メダル獲得に貢献した。2年連続で首位打者のタイトル、初めて最高出塁率のタイトルを獲得した。12月8日に両足関節鏡視下三角骨摘出手術を受ける。12月22日には、1億2000万円増となる推定年俸4億円+出来高払いで契約を更改。この年、福井県栄誉賞を受賞。
2022年
5月8日に新型コロナウイルス感染、17日に左太もも裏を負傷。7月と9月に月間MVPを獲得する活躍で2年連続のリーグ優勝に貢献した。出塁率.447で2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得。日本シリーズでは第5戦で5回に第1号ホームランとサヨナラホームランを記録し勝利に貢献。日本シリーズ優秀選手に選ばれた。ソフトバンクとのクライマックスシリーズでは第1戦と第4戦でホームランを放つなど、打率.462(13打数6安打)・3打点の活躍でシリーズMVPを受賞。12月16日にボストン・レッドソックスと5年契約を結ぶ。オリックスには譲渡金として1537万5000ドルが支払われた。
2023年
第5回WBC日本代表に選出、大会新記録の13打点を記録しベストナインを受賞した。4月23日のミルウォーキー・ブルワーズ戦の8回裏に、MLBでプレイするルーキーとしては4人目、日本人としては初の1イニング2本塁打を記録。8月5日、本拠地ボストンでのブルジェイス戦で日米通算1000安打を達成した。
まとめ
大きな目標を立て、一つずつ上っていくことをモットーとする吉田正尚さん。体力的にも精神的にもパワフルで並外れている、日本を代表する素晴らしい選手です。「野球は職業ですが、人生を学ぶものでもあります」と語り、ファンサービスも大切にされていたり、NGO「国境なき子どもたち」へ1本塁打ごとに10万円寄付されるなど、社会貢献活動も行っておられます。まさに野球エリートと言われるほどの野球人生を歩みながら、決して奢らず夢に向かって懸命に努力されているその姿はとっても輝いて見えますね。これからも、ますます活躍の場を広げていかれることでしょう!
また、吉田正尚の公式Instagram(instagram.com/bh_masataka34/)で情報を追うことができます。