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さっぽろ雪まつり（Sapporo Snow Festival）

さっぽろ雪まつり（Sappro Snow Festival）は北海道・札幌市で毎年開催される雪と氷の祭典です。大通公園などの会場には迫力満点の雪像や美しい氷像が並び、日本の冬の代表的なイベントとして国内外に広く知られています。本記事ではそんな北海道のさっぽろ雪まつりの魅力をWiki風に紹介しながら、知っておきたい情報や豆知識をわかりやすく解説します。

山本光代 著

最終更新日: 2025年10月31日09時57分

基本情報

日本は雪や氷の祭りだけでなく、夏の長岡まつり大花火大会のようなイベントでも知られています。さっぽろ雪まつりの来場者数は毎年約200万人！ここではこの氷のイベントで押さえておきたいポイントベスト3をご紹介します。これを押さえておけば雪まつり初心者でも安心！

見どころ満載のさまざまな雪像・氷像
札幌の中心地、大通公園に設置されるさっぽろ雪まつりのメインは大通会場です。約1.1kmにわたって続く雪像は圧巻！さっぽろ雪まつりの象徴である大雪像5基を中心に、中小の雪像や市民雪像、そして世界の建築物や有名人をテーマにした雪像なども毎年の楽しみとなっています。
親子で楽しめるさまざまなアクティビティ
つどーむ会場（札幌コミュニティドーム）は親子で遊べるアクティビティも満載！雪の滑り台「チューブスライダー」、小さなお子さん向けの「スノーストライダー」、ラフティングボートを使って遊ぶ「スノーラフト」などがあり、子どもも大人も楽しめるのが魅力です。
さまざまなあったか冬グルメも楽しめる
冬のお祭りはラーメンなどのあったかグルメも欠かせません！各会場ではもちろんホットフード、ドリンク、軽食の出店がありますよ！リーズナブルに食べられるメニューがほとんどですが、すすきの会場には高級路線の屋台も出現しています。

さっぽろ雪まつりについて

それではまず、「さっぽろ雪まつり」について簡単にご紹介しましょう。この日本の冬を代表するイベントは1950年に地元の中高生が雪像を作ったことから始まりました。今では世界中から観光客が訪れる国際的な祭典に成長！さっぽろ雪まつりの開催期間は毎年2月上旬、8日間。札幌の街は巨大雪像・氷像・光の演出で彩られ常に200万人以上が訪れます。また、さっぽろ雪まつりの場所は北海道札幌市、主に3つの会場で開催。ファミリー向けの体験型アクティビティが行われる会場もあります。そして北海道グルメも様々な会場で安価に楽しめる、どの世代でも存分に楽しむことができる冬のお祭りとなっています。

公式イメージソング

雪まつり実行委員会は、「雪まつりにふさわしい健康的で明るい歌」を公募し、1962年の第13回雪まつりで 「雪まつりの歌」 として発表されました。歌詞は三笠市の吉田隆鯉（りゅうり）氏の作品、曲は桑山真弓氏が作曲したものです。 また、過去には以下のようなさっぽろ雪まつりのイメージソング・歌が作られています。

「燃える恋の雪花火」ジョージ・佐藤（1977年）
「さっぽろ雪まつり音頭」泉流家元泉徳右衛門振付（1979年）
「SAPPORO SNOW FESTIVAL」舟田淳子 & ティーンズクルー（1982年）

日本の冬を代表するイベントとして知られる北海道さっぽろ雪まつりには、音楽を通してその魅力を伝えてきた歴史があります。近年は、公式イメージソングとして発表された楽曲は確認されていませんが、そろそろ現代らしい新しい公式ソングの登場に期待したいところですね。

さっぽろ雪まつりの歴史

戦後、日本がようやく立ち直り始め、現在のくらしの基盤となる出来事が生まれ始めた1950年代から、さっぽろ雪まつりの歴史は始まりました。それでは、その歩みを順を追って見ていきましょう。

1950年代〜1960年代：始まりと拡大

1950年に地元の中高生が大通公園で雪像を制作したことからさっぽろ雪まつりは地域の娯楽として始まりました。1953年には自衛隊が参加し、大雪像「観音像」が登場したことで一気に規模が拡大、その後1960年代には海外からの観光客も訪れるようになり、国際的にも注目される冬の祭典へと発展していきました。

1970年代：国際化とオリンピック効果

1972年の札幌オリンピック開催により、さっぽろ雪まつりは世界的に広く知られる存在となりました。この時期には、大雪像として「大氷宮殿」や「ノートルダム大聖堂」など、世界的に有名な建築物を精巧に再現した作品が登場し、その壮大さと美しさが多くの来場者を魅了しました。

1980年代：会場拡大と新名物

1980年代には雪まつりの会場が拡大し、新たな名物が次々と誕生しました。1983年にはすすきの会場が加わり、幻想的な氷像の展示が定番となります。さらに1985年には真駒内会場（後のつどーむ）が設けられ、巨大な滑り台や雪遊び体験など、子どもや家族連れが楽しめるイベントが登場し、祭りの魅力が一層広がりました。

1990年代～2000年代前半：テーマ性のある雪像

1990年代から2000年代前半にかけては、雪像のテーマ性がさらに広がり、世界遺産や歴史的建造物のほか、人気アニメキャラクターを題材にした雪像が登場して話題を集めました。観光客数は200万人を突破。さっぽろ雪まつりは北海道を代表するだけでなく、日本有数の冬の一大イベントとして確固たる地位を築いていきました。

2000年代～現代：スケールアップ、そしてコロナ禍を乗り越え

2000年代以降、さっぽろ雪まつりは雪像の精巧さとスケールがさらに進化し、プロジェクトマッピングやライトアップの導入で夜も楽しめる祭典へと発展しました。「スター・ウォーズ」や「進撃の巨人」とのコラボ雪像も人気を博し、幅広い世代を魅了しました。コロナ禍で2021年・2022年は開催中止、オンラインでの開催となりましたが、2023年に会場開催が復活します。コロナ後若干落ち込んだ来場者も2024年には来場者数がほぼ回復し、さっぽろ雪まつりの歴史はまだまだ進化しながら刻まれていくことでしょう。

雪像ができるまで

ビルに例えると4階から5階ほどの高さになる、ダイナミックなあのさっぽろ雪まつりの大雪像。いったいどのようにして作られるのでしょうか？ここでは、その雪像制作の過程を紹介します。

採雪　　　
札幌近郊の採雪場からきれいな雪を集めます。1基あたりダンプカー約600台分の雪を使用します。
積雪　　　
大型重機で積み上げていきます。
足場の組立
安全に作業できるよう足場を組み、雪を高く積み上げていきます。
寝かせ
積み上げた雪をしばらく寝かせ、雪同士をしっかり結着させます。
粗削り
固まった雪をおおまかに削り、全体の形を整えます。
細部の彫刻
次に細部を丁寧に彫り込み、表情や模様を仕上げます。
夜間作業
完成度を高めるため、夜間もライトを照らして作業を続けます。
概成
雪像の形がほぼ出来上がり仕上げに入ります。
仕上げ
事前に準備したパーツを取り付け、細部を整えます。
完成！
全体のバランスを整え、ついに壮大な雪像が完成します。

開催会場

大通会場だけじゃない　さっぽろ雪まつり開幕　３つの会場から見どころをたっぷり紹介

さっぽろ雪まつりの会場は市内3か所にわたっています。メイン会場は札幌市のランドマークである大通公園の会場になりますが、その他もそれぞれに魅力があるので時間があればすべてを回ることをおすすめします。それでは各イベント会場の詳細をご紹介します。

大通会場
札幌の中心地、大通公園に設置されるさっぽろ雪まつりの会場。約1.1kmにわたって雪像が立ち並び、雪まつりのメイン会場といえます。雪まつりの象徴である大雪像5基を中心に、中小の雪像や市民雪像も。世界の有名建築物やアニメの主人公などをテーマにした雪像もあり、さっぽろ雪まつりの魅力満載。近年ではスケートリンクや歩くスキーの体験ができるスペースが登場するなど参加型コンテンツも増えています。
すすきの会場
札幌駅前通に設置されるのがさっぽろ雪まつりすすきの会場です。さっぽろ雪まつりの「すすきのアイスワールド」では、雪像だけではなく、大小さまざまな氷彫刻や氷彫刻コンクール作品などがならびます。フォトジェニックな光景が多いのでこちらの鑑賞もマスト！そして飲食ブースでは歓楽街として有名なすすきのらしく、日本の高級食材を使用したプレミアムな屋台飯も！
つどーむ会場（札幌コミュニティドーム）
最後にご紹介するのがさっぽろ雪まつりつどーむ会場。ここは2009年の第60回からサッポロさとらんど会場より移転、主に雪像を見て楽しむ大通会場に対して、実際に雪と触れ合うことができる参加型のイベント会場として特に子供連れの家族に人気のさっぽろ雪まつり会場となっています。雪で作られたすべり台や迷路が設けられるほか、雪だるま作りや雪上ラフティングなど冬のアクティビティが思いきり体験できます。また、ドームも開放し休憩所とするほか飲食コーナーや遊具などで楽しむことができます。

フード・ドリンク情報

美味しいものに事欠かない北海道。「北海道のグルメ」と聞いただけでお腹がすいてきますよね！もちろんさっぽろ雪まつりの魅力は雪像だけでなく、氷のような寒さの中で味わう温かい食べ物にもあるのではないでしょうか。それでは、バラエティに富んださっぽろ雪まつりの食べ物を一部ご紹介します。

大通会場の屋台グルメ

主にこの大通会場に多数集まっており、丁目ごとにテーマがわかれています。

ジンギスカン串
ホタテのバター焼き
味噌ラーメン
スープカレー
ホタテミルクスープ
焼きとうもろこし・揚げいも
北海道ミルクソフトクリーム　など

すすきの会場の屋台グルメ

夜ならではの雰囲気を味わうならここがベスト！豪華な海鮮や温かい料理が楽しめます。

炙りホタテ
カニ甲羅焼き
ホットワイン・甘酒
チーズグラタン
海鮮丼・牡蠣料理　など

つどーむ会場の屋台グルメ

家族連れに人気のつどーむ会場では、屋内外に飲食スペースが設けられており、寒さを気にせずゆっくり味わえるのが魅力です。

揚げたてじゃがバター
焼き鳥
ソーセージ
スイーツ系グルメ　など

開催場所とアクセス

さっぽろ雪まつりは北海道札幌市で開催。場所は3ヶ所あります。それぞれの行き方を詳しくご紹介します。

大通会場

JR「札幌駅」の地下にある市営地下鉄「さっぽろ駅」から東豊線または南北線に乗車、「大通駅」下車。2・5・6・8番出口すぐ。

すすきの会場

市営地下鉄「さっぽろ駅」から南北線に乗車、「すすきの駅」下車。3・5番出口すぐ。

つどーむ会場

市営地下鉄「さっぽろ駅」から東豊線に乗車、「栄町駅」で下車。

そこからシャトルバスに乗り換え会場へ。栄町駅より徒歩の場合は15分ほど。

尚、このような日本の大イベントではありますが、さっぽろ雪まつりの会場には駐車場はありません。会場は駅からすぐということですので、公共交通機関の利用を推奨しています。駅から少し離れているつどーむ会場にも駐車場はありませんので、徒歩での来場をおすすめします。

国際雪像コンクール

1974年（第25回）から始まった国際雪像コンクールは、世界各地の国・地域・都市から集まったチームが雪像制作の技術と芸術性を競い合う大会です。さっぽろ雪まつりの特徴のひとつであり、日本の冬を代表する国際的なイベントとして広く知られています。

会場となる大通11丁目では、雪像制作の過程を間近で見られる唯一のエリアとして人気があり、訪れる人々は職人たちの繊細でダイナミックな作業を楽しむことができます。各国チームはそれぞれの文化を反映させ、時にはさっぽろ雪まつりキャラクターをモチーフにした作品も登場します。

2025年の参加チームは9か国・地域で、韓国、ハワイ、インドネシア、リトアニア、モンゴル、ポーランド、姉妹都市ポートランド（アメリカ）、シンガポール、タイが出場。見事優勝したのはモンゴルチームで、作品名は「LIFE／人生」でした。国際的な交流と創造性が融合するこのコンクールは、日本の冬を象徴する芸術祭として、今も多くの人々を魅了しています。

市民雪像制作

さっぽろ雪まつりの雪像制作は、自衛隊や関係者によるものだけではないのをご存じですか？実は、市民もグループで雪像作りを楽しみながらこの氷のまつりに参加しています。1965年（第16回）から実施され、毎回募集を大きく上回る応募があります。各グループの趣向を凝らしたさっぽろ雪まつり雪像は、市民や観光客の撮影ベストスポットとしても大人気です。

募集要項は前年の秋ごろ、開催時期の数か月前から発表されます。公式アプリで人気投票が行われ、上位3グループには次回の参加シード権が与えられます。これまでのさっぽろ雪まつり市民雪像制作からはスノーマンやトイ・ストーリー、マリオのキャラクター、そして大谷翔平選手や北海道出身の大泉洋さんをモチーフにした雪像などさまざまな作品が登場。市民が主役となって盛り上げる、冬のメインイベントとして広く親しまれています。

さっぽろ雪まつり資料館

北海道札幌市豊平区羊ケ丘の羊ヶ丘展望台内にある、日本を代表する冬の祭典・さっぽろ雪まつりの資料館です。雪まつりの歴史・文化を紹介し、雪像模型、写真、記念品、展示パネルなどを通じてその歩みを振り返る施設で、「雪ミク」（初音ミクの雪像から誕生した）の展示などでも話題になりました。さっぽろ雪まつりの会場に来られない人もイベントの魅力を季節問わず体感できます。

アクセス

地下鉄東豊線「福住駅」から中央バス（路線福84など）で「羊ヶ丘展望台」下車、徒歩すぐ

開館時間

年中無休

5月～6月・9月：8:30～18:00
7月～8月：8:30～19:00
10月～4月：9:00～17:00

入場料

資料館自体の入館は無料。ただし、羊ヶ丘展望台の入場料（大人1000円、小中学生500円）が必要。

お問合せ・SNS

さっぽろ雪まつりに関する疑問があるときは、公式サイトにあるお問い合わせフォームから問い合わせるのが一番確実です。また、最新の情報を日本公式サイトやSNSでチェックしておくと、スムーズな鑑賞や冬のアクティビティを楽しめること間違いなし！

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さっぽろ雪まつりの知っトク情報

ここでは、北海道さっぽろ雪まつりに行く前に知っておくと楽しさ倍増になるような情報をお届けします。

雪像や氷像を作っているのは誰？　

大雪像は陸上自衛隊と大雪像制作委員会が制作。中雪像は主に市民グループが作っています。自衛隊員は「野戦築城訓練」の名目で雪まつりの雪像製作に協力しています。ただ、近年の国際情勢の緊迫化や大規模災害への対応などにより、多くの隊員を雪像制作に充てることが難しくなり、市に対し自衛隊の制作の数を減らす要請がなされました。

大量の雪はどこから来るの？

さっぽろ雪まつりの雪像に使用されている雪は会場に降る雪だけでは全然足りず製作することができません。雪像制作に適した雪は札幌市内や近郊にある山間部や採雪地で集められ、トラックに積み大通公園など雪まつりの会場へ運ばれています。不純物が多い雪は倒壊のリスクが高まるため、質の良い雪だけを厳選しているのですよ。

つどーむ会場で楽しもう！

つどーむ会場では雪と触れ合って遊ぶという雪国ならではの体験ができます。氷の滑り台やスノースライダー、スノーモービルでボートを引っ張るスノーラフトなど、様々なアクティビティがあります。キッズスペースもあり小さなお子さんでも体験可能なものもたくさん！楽しく雪と戯れることができるベストな機会となってくれるでしょう。また、ドームの中では飲食店ブースもあるので、冷えた体を温めながら北海道グルメを楽しみましょう！

日本で開催されるその他有名なお祭り

さっぽろ雪まつりのような北海道で行われるイベントの他にも、日本各地では伝統的なお祭りや音楽フェスティバルなど現代的なイベントが多く開催されます。その一部をご紹介しましょう。

伝統的な夏祭り

神田祭（東京都）
日本三大祭りのひとつで、江戸の粋を今に伝える豪華な神輿行列が見どころ。2年に一度の本祭では、街中が熱気に包まれます。
祇園祭（京都府）
華麗な山鉾巡行で知られる京都の伝統行事。1ヶ月にわたって様々な神事や行事が行われ、国内外から多くの観光客が訪れます。
青森ねぶた祭（青森県）
巨大なねぶた灯籠が夜空を照らし、力強い掛け声「ラッセラー！」が響き渡る東北屈指の祭りです。

まとめ

さっぽろ雪まつりは北海道を代表する日本の代表的な冬の大イベント。インバウンド需要も増える冬の時期にとってさっぽろ雪まつりは地元にとっても大いにメリットがあり、観光やグルメ、文化交流など楽しみ方もさまざま！雪と氷が織りなす幻想的でダイナミックな舞台を一度は体感してみたいものですね。次回、さっぽろ雪まつり2026の開催ももちろん決定しています。今度はどのような札幌の舞台にお目にかかれるでしょうか⁉︎冬に近づきつつある今からもう待ちきれません！