清水寺
清水寺(きよみずでら)は1200年の歴史を誇り、世界遺産にも登録された由緒正しい寺院です。境内には「清水の舞台から飛び降りる」の語源となった本堂や、三重塔などの国宝、重要文化財が並びます。ここではそんな清水寺についてWiki風に紹介しながら、さらにユニークなエピソードを交えて詳しく解説していきます。
基本情報
清水寺(Kiyomizu-dera)はJR京都駅北東側、京都市内と琵琶湖の間にそびえる音羽山(おとわやま)の中腹に位置しています。正式名称は「音羽山清水寺(おんわさんきよみずでら)」約13万㎡の境内には国宝と重要文化財を含め30以上の伽藍(がらん、寺の建物の総称)や碑があります。春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪と季節ごとに違った美しい景色が映える清水寺は778年(宝亀9年)に開かれました。
本堂は日本古来の伝統工法で、釘を使わず木材を組み合わせて構築されています。そして山の斜面にせり出すように作られており、まさしく「清水の舞台から飛び降りる(思い切って決断することの意)」の言葉を現実に感じることができます。高さは約13m、ビルの4階に相当します。本堂の東側には寺の名前の由来になった「音羽の滝」が流れており、現在も清らかな水が湧き続けています。
名称 | 清水寺(きよみずでら、Kiyomizu-dera) |
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所在地 | 京都市東山区清水1丁目294 |
創建 | 伝・宝亀9年(778年) |
公式サイト |
歴史
清水寺の起源は奈良時代末期のおよそ1200年前になります。以降歴史上の重要人物も色々と登場し、清水寺の歴史は日本の歴史そのものといっても過言ではありません。それではその歴史をみていきましょう。
奈良時代
778年(宝亀9年)に奈良の興福寺の僧であった延鎮上人(えんちんしょうにん)が、夢のお告げで北へ清泉を求め音羽山に向かいました。その音羽山の滝のほとりで修行をしていた行叡居士(ぎょうえいこじ)に出会います。行叡から後を任され、渡された木に千手観音像を刻み、行叡の旧庵に建てたお堂に安置したのが清水寺の歴史の始まりとされています。その2年後、鹿を追って坂上田村麻呂が音羽山に入り込んで来ました。妻の高子の病気治癒のため薬になる鹿の生き血を求めてこの山にきたものの、延鎮より殺生の罪と観世音菩薩の功徳を説かれることになります。その教えに心打たれた坂上田村麻呂は観音を祀る本堂を寄付しました。
平安時代から江戸時代
平安時代に入った805年(延暦24年)、寺は朝廷公認の寺院になり新たな歴史を刻み始めます。その時の寺名は「北観音寺」でした。有名文学、随筆にも登場し、枕草子の「さわがしきもの」や源氏物語の「夕顔」の巻、今昔物語集にも清水観音の記述があることから平安中期には観音霊場としてよく知られていました。しかし、1063年(康平6年)の火災を皮切りに1469年(文明元年)の応仁の乱など、1629年(寛永6年)の焼失まで実に9回もの火災に見舞われてしまいました。それら火災の後、1633年(寛永10年)に3代将軍徳川家光の寄進によって本堂が、そして他の建築物の多くもこの前後に再建されます。
明治以降近代・現代
明治初期も又、清水寺の歴史にとって受難の時期でした。廃仏毀釈(明治政府の仏教排斥運動)により仏教界全体が落ち込み、東京遷都という背景もあり、寄進者であった皇室や公家など多くが京都を離れてしまいます。ですが、明治時代の終わりには古社寺保存法が成立し、国から財政的な支援を受け、修理や国宝の指定を受けることができました。大正から昭和にかけては、興福寺住職であった大西良慶(おおにし・りょうけい)が107歳で没するまで70年近く住職を務め、日中友好仏教協会の設立など、仏教を通じた国際交流、平和・文化活動に尽力しました。1994年(平成6年)にはユネスコ世界文化遺産の「古都京都の文化財」の一つとして登録されます。2015年(平成27年)には、10年かけて制作された絵巻物「清水寺平成縁起絵巻」が完成し、奉納されました。寺の草創期から平成の大改修の完了まで1200年を描いた全長65mの壮大な絵巻物は、焼失と再建を繰り返した清水寺を支えてきた庶民の姿がテーマとなっています。
年間イベント
夜間特別拝観(3月、8月、11月)
春・夏・秋と清水寺はライトアップされ、京都の夜空を照らし古都ならではの街を一層輝かせます。ライトアップの際に放たれる一筋の青い光は、観音様の慈悲を表したもの。秋のライトアップ期間中は清水寺内の「成就院」にある庭園も特別に公開されます。
修正会 (1月)
元日より7日間、本堂内々陣にてご本尊御宝前において五穀豊穣、家内安全、商売繁盛、世界平和などを祈願します。一年の安寧を祈願する年頭行事です。
涅槃会(2月)
仏教の開祖、お釈迦様が入滅(悟りを得て亡くなること)した日に「大釈迦涅槃図」を掛けて法要が行われます。通常は見られないこの大釈迦涅槃図を間近で見ることができます。
青龍会 (3月、4月、9月)
観音様の守護神、長さ18メートルの龍を先頭に様々な装束に身を包んだ人々が地域守護と除災を祈願して、境内と門前町を練り歩きます。
千詣り(8月)
一日の参拝で千日分のご利益があると言われ、観音信仰における最大の功徳日です。期間中は本堂内々陣の特別拝観も行われます。
仏名会(12月)
本堂内々陣にて、一年間の罪障を懺悔してその消滅を祈願します。自信の行いを振り返り、これから迎える新しい年に向けて心を平静にする法会です。
豆知識
それでは清水寺に関する興味深いお話をご紹介します。
音羽の滝のご利益と3つの滝の意味は?
清水寺といえば「清水の舞台」とともに、祠(ほこら)から伸びる三本の水流が特徴の「音羽の滝」も見逃せないスポットです。柄杓(ひしゃく)でこの清水をすくって飲むことで願いが叶うと言われています。この三つにもそれぞれ意味があり、正面から見て右端が「延命長寿」真ん中が「恋愛成就」左端が「学業成就」です。どれも叶えたいところではありますが、1本を選んで水を一口含み、1つだけ願いをかけるのがよいと伝えられています。飲み過ぎると欲深さを見抜かれ、願いが叶えられなくなるのだとか。時代によってご利益も多少変化してきており、近年で一般的なのは右端の滝から「健康」真ん中が「美容」左端が「出世」にあやかることができる、といわれています。
「清水の舞台」から飛び降りた人々のリアルなデータ?
一世一代の決断をすることを「清水の舞台から飛び降りるつもりで」というように昔からよく言われますが、実際に飛び降りた事例が実はたくさんあるのです。未遂も含めて235件、死亡者は34人にのぼったという記録があります。生存率は85.4パーセントとはいえ思い切った人がこんなにいるとは驚きです。さらに細かいデータもあり、飛び降りた人の内訳は10代から20代の若者が53パーセント以上、最年長は80歳、最年少はなんと12歳!地元京都の人が70パーセントと圧倒的多数を占めていたとのこと。階級においては若い僧侶が約7パーセントで、ほとんどは一般庶民が飛び降りていました。地上約12メートル、今ではそう高くない感覚かもしれませんが、当時の建物や医学の状況を考えると本当に決死の覚悟だったと想像できます。明治5年からは飛び降り禁止令が出され、周囲には柵も張られました。
お寺の中に神社がある?
清水寺の敷地内には、「えんむすびの神さま」として知られる地主神社があります。特に「恋占いの石」が有名で、縁結びを祈願する参拝者や修学旅行生、国内外からの参拝者にも大変人気です。創建期は不明ながら日本最古の縁結び神社とされており、1633年に徳川家光が再建した本殿や境内の建造物は国の重要文化財に指定され、世界遺産にも登録されています。境内は桜の名所としても有名で、「地主桜」は謡曲にも詠まれています。現在、2022年8月19日から約3年間の社殿修復工事のため参拝はできませんが、祈願受付やお守り授与は郵送で対応しています。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
アクセス方法
電車とバスを使ったアクセスが一番便利です。
JR京都駅から
京都市営バス206系統、100系統に乗り「清水道」で下車 徒歩約8分
阪急四条河原町駅から
京都市営バス207系統に乗り「清水道」で下車 徒歩約8分
京阪祇園四条駅から
京阪バス83,85,87,88系統で「清水道」又は「五条坂」で下車 徒歩約10分
阪急四条河原町駅から
京都市営バス207系統に乗り「清水道」で下車 徒歩約8分
車の場合
境内に駐車場はなく、周辺に清水寺市営駐車場、清水寺門前駐車場などがあり。ただし、周辺道路は非常に込み合うので公共交通機関の使用を強く推奨。
周辺グルメ
京都のグルメは上品なお味とともに写真映えするものも多く、雰囲気あるシーンとともに楽しめます。スイーツ、ランチ、ディナーと見逃せないお店も周辺にたくさん!その一部をご紹介します。
あの八ツ橋がシュークリームに
「清水 京あみ」の「八ツ橋しゅー」(380円)
京都のお土産でお馴染みの「八ツ橋」はニッキのさわやかな風味ともちもち感が人気ですが、そのニッキを練りこんで仕上げたシュークリームが味わえます。京都らしい抹茶味とやさしいバニラ味の2種類があり、出来立てで用意されるのが嬉しい!
住所:京都市東山区清水1丁目262-2
電話:(075)-351-6956
老舗豆腐店の気軽なテイクアウトメニュー
「奥丹清水」の「とうふまんじゅう」(385円)
370年を歴史を数える京都に存在する最古の有名湯豆腐店。一方で隣に「とうふまんじゅう」の飲食や持ち帰りができるお店も構えています。まんじゅうの中身は餡子ではなく野菜たっぷりのおからです。良質な大豆の香りと刻んだ野菜のアクセントがたまりません。出来立てあつあつをその場でいただくのがおすすめです。
住所:京都市東山区清水3丁目340番地
電話:(075)-525-2051
東山で京都の粋を感じる特別な一日を
「東山庭 Kiyomizu Higashiyama Garden」の「東山コース」(8712円~)
清水寺から徒歩圏の和を基調とした温もりあるスペースと、美しい庭園でオリジナル京フレンチはいかがでしょうか。京上賀茂で採れる京野菜と近郊漁港から届く魚介類、国産牛など京都ならではの素材がもつ上品な味を尊重し、色や盛り付けの美しさもこだわりながらモダンな感性で仕上げる料理は京都にふさわしい一品です。
住所:京都市東山区清水4丁目166番 1F
電話:(050)-3159-6517
よくある質問
拝観時間について教えて下さい
清水寺は通常6:00より開門します。閉門時間は季節や行事により異なります。通常は18:00から18:30の閉門、春、夏、秋の夜間特別拝観時期は21:30の閉門になります。
清水寺のバリアフリー対応について教えて下さい。
境内参拝通路すぐ左横に、段差なく本堂まで繋がる道がありますので、車椅子やベビーカーで参拝いただけます。多目的トイレも複数設置されており、おむつ交換も可能です。車椅子境内参拝マップの配布、ダウンロードも出来ます。車椅子の貸出はありません。尚、清水寺は「バリアフリー化推進功労者大臣表彰」を国から受けています。
12月の「今年の漢字®」が発表される場所はなぜ清水寺なのですか?
公益財団法人日本漢字能力検定協会の本部が京都にあることと、清水寺はその京都を代表する寺院の一つであり、国内外を問わずよく知られているからです。清水寺の住職によって書かれた「今年の漢字®」の書は1年の出来事を清めるとともに、新年が明るい年になることを祈願して奉納されます。
紅葉が見頃の時期はいつですか?
境内に木々が紅く色づき始めるのは11月中旬ごろです。約1000本の山紅葉や楓の木々が紅く染まり、11月下旬から12月上旬にかけて紅葉の見頃を迎えます。天候により状況は変化しますので、詳しくは公式ホームページのお知らせやSNSなどをご覧ください。