村上宗隆 (Munetaka Murakami)
村上宗隆(むらかみ・むねたか)さんは現在、東京ヤクルトスワローズに所属するプロ野球選手です。188センチ、97キロという恵まれた体格を生かしたスイングスピードと長打力が持ち味。プロ野球史上最年少で通算100本塁打を達成、プロ野球新記録の5打席連続本塁打等を達成。 史上最年少、そして令和初の三冠王に輝きました。ここではそんな村上宗隆さんのプロフィールを紹介しながら、その人物像に迫ります。
プロフィール
村上宗隆(Munetaka Murakami)さんは熊本県出身のプロ野球選手です。中学時代から既にその才能を開花させ、「高校BIG3」と称されるように。九州学院で1年生の夏に4番として甲子園に出場、高校通算52本塁打。2017年、ドラフト1位指名を受けて東京ヤクルトスワローズに入団しました。
プロ入り後に捕手から内野手に転向、プロ1年目に優秀選手賞、新人賞、努力賞を受賞。19歳6ヶ月でNPB最年少であるサヨナラ本塁打を記録。2019年、日本人記録シーズン184三振、2020年に最高出塁率のタイトルを獲得。東京2020オリンピック金メダルに貢献。2020年、2021年、2022年にベストナイン、2021年にプロ野球史上最年少(21歳7カ月)で通算100本塁打を達成。2022年に首位打者賞、最多本塁打賞最多打点者賞、2020年、2022年度に最高出塁率賞、2022年度に正力松太郎賞特別賞、コミッショナー特別表彰特別賞を受賞。
2022年から2023年にかけて、パシフィック・リーグ戦や侍ジャパンシリーズ、ワールドベースボールクラシックといった試合に出場。また、2021年からテレビ朝日系列で放送されているスポーツバラエティ番組「夢対決とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」内の「リアル野球BAN」に出演。現在は吉本興業株式会社に所属中。2023年よりコア・テクノロジー株式会社とアドバイザリー契約を締結。なお、故郷の熊本城復旧のために本塁打数と打点数に応じた金額を寄付する活動を行っています。
プライベート
村上宗隆さんは3人兄弟の次男です。かなりの運動一家で、父親は野球経験者、母親はバレー選手、祖父が警察官で武道もこなすという、アスリート一族の環境の中で育ちました。村上さんが野球を始めたのは5歳の時で、野球好きだった祖父と父親の影響でした。父親がかつて甲子園出場を目指した球児でケガで断念したということから、親の夢を託され、家庭でもかなり厳しく野球の指導を受けたということです。2歳年上の兄の友幸さんはテイ・エステックに投手として所属する社会人野球選手、5歳年下の弟の慶太さんは九州学院高校で4番一塁手としてプレーし、3年生だった2022年に夏の甲子園へ出場し8強入りしています。
愛称は「村神様」。これは、ヤクルトの勝利や優勝を導く神がかった村上さんの活躍を象徴しているとのこと。ファンも村上さんを「神」と呼び、報道やSNSなどを通じて認知されています。(ベンチでのキャプテンのような立ち振る舞いにより、ファンからは村上監督と呼ばれることもあるそう。)気になる彼女や結婚についてですが、2023年に女子プロゴルファーの原英莉花さんと熱愛報道されています。好きな食べ物はお寿司とラーメン。
試合前に行っていることが2つあり、1つ目は顔に化粧水を塗ること。これは顔が乾燥していると打席に入った時に顔が引きつってしまって集中しにくくなるからで「しっとりさせた方が試合に入りやすい」という理由から。2つ目はバットを磨くこと。これは、滑り止めのスプレーを使うとバットに残ってしまい、ベタつきで感覚が変わってしまうので、試合前に毎回磨いて新品同様の状態で使うようにしているとのこと。また、普段から心掛けているのが、お風呂で必ず湯船に浸かること。ストレッチにスムーズに入りやすいように体を温めているということです。
選手としての特徴
右投げ左打ち。ポジションは内野手で主に三塁手として活躍しています。188センチ、97キロという恵まれた体格を生かしたスイングスピード、長打力が持ち味。ボールを飛ばす技術に秀でており、 スイングスピードの速さとインパクトの強さを武器に、鋭いあたりを右へ左へと飛ばすことが可能。その選球眼にも定評があります。ミズノと契約しており、試合などで使うバットはミズノ製。バットの握り方が少し特殊で、右手の小指をグリップエンド(持ち手の先端部分)にかけて握り、左手の小指を右手人差し指あたりにかけるというスタイルをとっています。
活躍の軌跡
村上宗隆さんは小学生4年時に託麻南小野球クラブに入団。中学時代は熊本東シニアに在籍し、高校は九州学院に進学、一塁手や捕手として活躍しました。1年夏に甲子園に出場。プロのスカウトからその才能を評価され、ドラフト1位で東京ヤクルトスワローズに入団しました。それではこれまでの活躍を年代ごとに見ていきましょう。
プロ入り前
小学校4年生で軟式野球チームに入り本格的に野球をスタート。6年生で硬式野球のリトルシニアのチームに入団。中学2年生の冬、九州選抜チームのメンバーに選ばれ台湾での遠征を経験し、3年生の時に熊本県硬式野球選手権大会で優勝。高校は九州学院高等学校に進学。一塁手としてレギュラーを掴むと熊本県大会を制し、夏の甲子園への切符を掴む。4番バッターとして出場。高校時代に通算52本ものホームランを放ち、その長打力から肥後のベーブ・ルース」と称される。
2017年
ドラフト会議で、清宮幸太郎選手を外した東京ヤクルトスワローズから1位指名を受け、ヤクルトに入団。背番号は55。
2018年
プロ1年目、7月にフレッシュオールスターに出場、9月に1軍へ合流。初打席でホームランを叩き込むという衝撃のデビューを飾った。イースタンリーグで打率.288、17本塁打、70打点、16盗塁の好成績を残して、優秀選手賞、新人賞、努力賞を受賞。フェニックスリーグでは歴代最多となる10本塁打を記録。オフには台湾WLに派遣され、最多本塁打タイ(4本)と最多打点(15打点)の好成績を残す。
2019年
オフの自主トレを青木宣親選手と行い開幕スタメンを勝ち取る。5月にはプロ入り初の4番に座り、オールスターゲームに三塁手部門ファン投票1位で選出されホームラン競争にも出場。高卒2年目での36本塁打、高卒2年目以内での歴代最多打点となる96打点を記録してセ・リーグ新人王獲得。(高卒2年目野手の新人王獲得は村上選手が初。)
2020年
6月、7月には月間MVPを受賞し、球団最年少記録を更新。120試合で打率.307、28本塁打を記録。初のベストナインにも選出された。
2021年
9月に21歳7か月で最年少通算100号本塁打を記録。同年ヤクルトは優勝、日本一となり、セ・リーグ最年少MVPにもなった。東京オリンピック2020の野球日本代表に選出され、全5試合を8番・サードで先発出場。決勝のアメリカ戦では先制・決勝点となるソロホームランを放つなど活躍し、チームの金メダル獲得に貢献。レギュラーシーズンではキャリアハイとなる39本塁打、112打点を記録。本塁打王に輝いたほか、初めて最優秀選手賞を受賞。2年連続でベストナイン、さらに12月にはMVPを受賞したことが発表された。
2022年
2022年は7月31日の阪神戦から8月2日の中日戦までNPB史上初となる5打席連続ホームランの快挙を達成。9月13日の巨人戦では王貞治氏に並ぶ55号目のホームランを放ち、シーズン最終戦で56号ホームラン。1964年の王氏の記録を破り、日本人史上最多かつNPB歴代2位の大記録を打ち立てた。また、この試合で令和初、史上最年少での三冠王を達成、最高出塁率賞と合わせて四冠、さらには2年連続のMVPにも選ばれた。「村神様」というニックネームが定着し、ユーキャン 新語・流行語大賞の年間大賞に選出された。
2023年
WBC日本代表(侍ジャパン)に選出。1次ラウンドは4番を任されたが、極度の打撃不振に苦しみ、準々決勝からは5番に降格。力んでいた状態から少しだけ解放されたのか、準決勝のメキシコ戦にて9回で逆転サヨナラの2ベースヒットを放つ。決勝戦のアメリカ戦ではホームランを打ち、日本のホームラン王の意地を見せた。12月、現状維持となる推定年俸6億円プラス出来高払いで、3年契約の2年目となる来シーズンの契約を更改。
まとめ
豪快なホームランを放つ打撃力が大きく評価されている村上宗隆選手。今ではもう、日本球界にとってなくてはならない存在です。巨漢のホームランバッターでありながら、時折見せる優しい笑顔がファンの心を掴んで離しません。 本人曰く、子供の頃からとても負けず嫌いの性格なんだそう。「皆さんの期待に応えるためにも、さらに努力して、まだまだ成長していきたいと考えています」と、その真摯でひたむきな姿にはグッとくるものがありますね。球界を代表する若きスラッガー、今後どこまで伸びるのかに注目しながら、心より応援していきたいと思います。