真田広之
真田広之(さなだ・ひろゆき)さんは東京都出身、1960年生まれの俳優、歌手、そして武術家です。本名は下澤廣之(しもざわ・ひろゆき)。今やハリウッド映画などの世界的な舞台で馴染みのある真田広之さんですが、子役やアイドルなど日本国内での幅広い活動を経て世界へ進出しました。ここではそんな俳優の真田広之さんのプロフィールを紹介しながら、その人物像に迫ります。

真田広之
主な情報
真田広之さんは裕福な家庭に育ち、幼い頃から雑誌のモデルや劇団に所属し、子役として活動していました。さらに、日本舞踊・玉川流にも入門し、日々熱心に稽古に励んでいました。真田広之さんの性格は、真面目で努力家。幼い頃から一つひとつの仕事に真摯に取り組む姿勢が際立っていたそうです。
そして、真田広之さんといえば欠かせないのが「ジャパンアクションクラブ(JAC)」の存在です。ここで出会った俳優・千葉真一さんを師と仰ぎ、彼の影響を受けて、早くから海外を視野に入れて役者としての道を歩んでいくことになります。
経歴
真田広之さんは東京都品川区で生まれ、幼い頃から芸能活動を始めました。真田広之さんのご家族についての詳しい情報は多くはありませんが、日本舞踊を勧めたのは母親であり、兄が1人いることが知られています。それではここから、真田広之さんのデビューから現在までの歩みを詳しく見ていきましょう。
子役時代から再デビューまで0
真田広之さんは東京都品川区大井の出身で、裕福な家庭に育ちました。幼少期にスカウトされてキッズモデルとして活動を始め、1965年、5歳のときに「劇団ひまわり」に入団。翌1966年、真田さんの人生に大きな影響を与えることになる千葉真一さんと出会い、千葉さん主演の『落語こもり唄』で俳優デビューを果たします。その後も、千葉真一さんや高倉健さん主演の映画に息子役として出演。子役として本格的に芸能活動をスタートさせます。
1973年4月、品川区立伊藤中学校に在学中に、子役時代に共演した千葉真一さんが主宰する「ジャパンアクションクラブ(JAC)」に入団。同時期に、母親の勧めで日本舞踊の玉川流にも入門し、修行を始めました。1974年には映画『直撃!地獄拳』に出演。そして1976年4月、堀越高等学校の芸能コースに進学すると、千葉真一さんの助言により学業に専念することを決意し、しばらく芸能活動を休止しました。
アクションスターとして
1978年、『柳生一族の陰謀』のオーディションに合格し、芸能活動を再開。芸名は、師である千葉真一さんが命名、名字には千葉さんの芸名「真一」の「真」と本名・前田禎穂の「穂」から「田」をとり、下の名前は自身の本名の下沢広之からとって、「真田広之」と名乗ることになりました。同年、日本舞踊・玉川流において名取となり、「玉川大輔」の名を授かります。また、『宇宙からのメッセージ・銀河大戦』で主演も務めました。真田広之さんは1979年3月に堀越高等学校を卒業し、同年4月には日本大学芸術学部映画学科に進学。大学在学中には、殺陣の技術を磨くために「剱伎道志会(たてどうしかい)」に入会し、学業と俳優活動を両立させながら研鑽を積みました。
1980年の『忍者武芸帳 百地三太郎』で映画初主演を果たし、1981年には『吼えろ鉄拳』でも主演を務めます。1982年には『ドラゴン忍者』で海外映画デビュー。以降、「サニー千葉の後継者」として、若きアクションスター「デューク真田」として海外でも知られる存在に。飛び降りるシーンをスタント(吹き替え)なしで演じたり、格闘シーンでも稽古してきた空手を披露するなど体当たりの演技に磨きをかけていきました。1983年3月には日本大学を卒業し、芸術学士の学位を取得しました。
幅広い活動
テレビシリーズ 「高校教師 」の生物教師役、真田広之
大学卒業後も、真田広之さんの華やかな活躍は続きます。1980年代にはアイドルとしても活動し、歌手として歌番組に出演することもありました。映画でも、1981年の『魔界転生』での沢田研二さんとのキスシーン、1982年の『道頓堀川』での松坂慶子さんとのベッドシーン、1983年の『里見八犬伝』での薬師丸ひろ子さんとのラブシーンなどが話題に。1984年には映画『麻雀放浪記』で主演を務め、同年放送のテレビドラマ『純陽』第13話では特別ゲストとしてサプライズ出演。1987年には映画『必殺4 恨みはらします』で悪役に挑戦し、1988年の『快盗ルビイ』ではコメディにも挑戦しました。
1989年、母親が急逝したことをきっかけに、所属していたジャパンアクションクラブ(JAC)を離れ、自身の星座「天秤座」にちなんで「リブラ・インターナショナル」という芸能事務所を設立。1990年には、JAC創立20周年記念作品『リメインズ 美しき勇者たち』で主演を務め、音楽監督としても参加しました。1993年には、テレビドラマ『高校教師』で主人公の生物教師役を熱演。教師と生徒の禁断の恋、そして社会的タブーを描いたこの作品は視聴率33%を記録し、社会現象になるほどの大ヒットとなりました。2001年には『非婚家族』、2002年には『たそがれ清兵衛』、2005年には『亡国のイージス』でそれぞれ主演を務めました。
世界進出
師匠の千葉真一さんの薫陶を受け、以前から世界進出を考えていた真田広之さんは、イギリスの名門劇団「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」に入団し。舞台『リア王』などに出演しました。2002年には東京都千代田区の英国大使館で行われた叙勲式で大英帝国勲章名誉メンバー(Honorary Member of the Order of British Empire: MBE、同勲章第5位)を授与されました。2003年にはハリウッド映画『ラストサムライ』に出演し、アメリカ映画への活動のためロサンゼルスに拠点を移します。
その後もアメリカ映画への出演を重ね、ジャッキー・チェンやキアヌ・リーブスといった世界的スターたちとも共演。2006年の映画『PROMISE 無極』では、すべてのセリフを中国語で演じ、2007年には人気映画シリーズ『ラッシュアワー3』に出演。2008年6月30日には『スピード・レーサー』のジャパンプレミアが東京ドームで開催。2013年には『47RONIN』で大石内蔵助役を演じ、ハリウッド俳優としての地位を確実に築いていきました。
国際的俳優として
2015年2月8日には『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』での出演に伴い、第65回ベルリン国際映画祭に出席。5月1日にはドラマ『HELIX シーズン2』にも出演。さらに2016年6月19日には、ドラマ『ザ・ラストシップ シーズン3』にメインゲストとして登場しています。2017年7月8日には映画『ライフ』に出演し、同年7月12日には東京でのプレミア上映会にも出席。2018年5月24日には、人気海外ドラマ『ウエストワールド シーズン2』に出演。同年には小雪さんと共に、ポーランドでの映画『Battle of Warsaw: Unknown Hero』の撮影にも参加しています。
2019年1月には、映画『MINAMATA(水俣)』の撮影のため、他の日本人キャストと共に日本・セルビアのベオグラード港倉庫、モンテネグロを訪れました。同年4月26日には、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でスコーピオン/ハサシ・ハンゾウ役として登場。そして、2021年から2022年にかけてカナダ・バンクーバーで撮影された海外ドラマシリーズ『SHOGUN(将軍)』に主演・プロデューサーとして参加。この作品は大ヒットを記録し、2024年にエミー賞で作品賞、2025年にはゴールデングローブ賞のテレビドラマ部門主演男優賞(日本人初)を獲得しました。
プライベート

真田と手塚
1990年、真田広之さんは女優の手塚理美さんと結婚。奥さんの手塚さんはユニチカのマスコットガールとして注目を集め、ドラマなどでも活躍していた人気女優です。結婚後は2人の男の子に恵まれ、公私ともに順調に見えました。しかし、1995年に真田さんと女優・葉月里緒奈さんとの交際が報じられたことで、夫婦関係に大きな影響が出ます。最終的に2人は1997年に離婚しました。離婚後も真田さんにはたびたび熱愛の噂が浮上しましたが、現在のところ再婚はしておらず独身を貫いているようです。
出演映画・ドラマリスト
真田広之さんの出演映画やドラマ一覧です。下澤廣之としての活動、真田広之になってからの両方をご紹介します。
下澤名義
真田広之さんが1976年に堀越高校芸能コースに入学するまでに出演した映画やテレビドラマの作品一覧です。高校入学後は、学業に専念するために一時芸能活動を休止していました。以下に下澤廣之名義での作品を一覧にまとめました。
映画 | ||
---|---|---|
1966年〜67年 | 子守唄シリーズ
| 遠藤健一 役 |
1966年 | 脅迫(おどし) | |
1969年 | 新網走番外地 さいはての流れ者 | 正一 役 |
1970年 | 遊侠列伝 | 川又一郎 役 |
1970年 | 昭和残侠伝 死んで貰います | 花田康男 役 |
1974年 | 直撃! 地獄拳 | 甲賀龍一(少年時代)役 |
テレビドラマ | ||
1966年 | 氷点 第2話 | NETテレビ |
1966年 | 鉄道公安36号
| NETテレビ |
1967年 | 特別機動捜査隊 第303話「兄ちゃんの馬鹿」 | NETテレビ |
1968年 | あひるヶ丘77 | フジテレビ |
1969年 | 水戸黄門 第1部 第25話「旅烏の子守唄・庄内」 | TBS |
1970年〜73年 | キイハンター
| TBS |
真田名義
「真田広之」の名では皆さんお馴染みの映画やドラマが多数あります。ここではその代表作をご紹介します。
【映画】
『麻雀放浪記』(1984年) - 主演・坊や哲 役
阿佐田哲也の同名小説を原作に、和田誠監督がメガホンを取った昭和の名作。戦後の混乱期の東京を舞台に、若き麻雀打ち「坊や哲」が、勝負の世界に身を投じながら成長していく姿を描いたヒューマンドラマです。真田広之は、主人公・坊や哲を熱演。ギャンブルの世界で生き抜こうとする青年の危うさや、成長の過程を繊細かつエネルギッシュに表現し、俳優としての存在感を強く印象づけました。脇を固める配役も個性的で、作品全体に独特のユーモアと哀愁が漂っています。劇中の麻雀シーンのリアルさやテンポの良さ、戦後日本の空気感を活写した映像美が高く評価され、カルト的な人気を誇る一作となっています。真田さんにとっても、若手から本格派俳優への転機となった重要な作品のひとつです。
『陰陽師』(2001年) - 道尊 役
滝田洋二郎監督による平安時代を舞台にした幻想時代劇で、安倍晴明を演じた野村萬斎の主演でも話題となった作品。真田広之は、陰陽道を悪用して朝廷の転覆を企む陰陽頭・道尊(どうそん)を演じ、圧倒的な存在感で作品に緊張感をもたらしています。野村萬斎との対峙シーンは見ごたえがあり、静かなる狂気と野望を秘めた悪役を見事に演じ切っています。華やかなVFXと伝統美を融合させた映像世界の中で、真田さんの演技は確かな重みを与えています。
『たそがれ清兵衛』(2002年) - 主演・井口清兵衛 役
時代小説の巨匠・藤沢周平による原作『たそがれ清兵衛』を、山田洋次監督が映画化。江戸時代末期、家計を支えるために働きながら家族を守る地味で不器用な下級藩士・井口清兵衛を、真田広之が繊細かつ力強く演じています。華やかさとは無縁な主人公が、ある決闘をきっかけに静かに運命を変えていく様子が描かれ、真田さんの演技力が光る名作です。第26回日本アカデミー賞最優秀作品賞・主演男優賞ほか多数の賞を受賞し、真田広之の代表作のひとつとして広く知られています。
『ラスト サムライ』(2003年/アメリカ) - 氏尾 役
トム・クルーズ主演による日米合作の歴史ドラマ。明治初期の日本を舞台に武士道精神と西洋の価値観の衝突と融合を描いた話題作です。真田広之は勝元(渡辺謙)の側近であり剣術の達人、氏尾(うじお)を演じています。物静かで忠誠心にあふれた氏尾のキャラクターは、言葉数は少ないながらも圧倒的な存在感を放ち、主役のトム・クルーズと対等に渡り合う演技が高く評価されました。この作品を機に、真田さんは本格的にハリウッドへ進出していくことになります。
【テレビドラマ】
『高校教師』(1993年・TBS) - 主演・羽村隆夫 役
社会現象を巻き起こした名作ドラマ。真田広之が演じるのは、内に葛藤を抱えながら生きる生物教師・羽村隆夫。生徒との恋という「禁断のテーマ」を真正面から描き、放送当時は大きな反響を呼びました。
繊細で抑えた演技の中に苦悩や情熱をにじませる真田さんの表現力は高く評価され、多くの視聴者の心を揺さぶりました。視聴率は最高33%を記録し、「平成の名作ドラマ」として今なお語り継がれる作品となっています。
『太平記』(1991年・NHK大河ドラマ) - 主演・足利尊氏 役
真田広之にとってNHK大河ドラマ2作目の出演にして初の主演作。室町幕府を開いた初代将軍・足利尊氏の波乱に満ちた生涯を、若き日から晩年まで壮大なスケールで演じ切りました。当時はアイドル的な人気もあった真田さんですが、この作品を通して本格派俳優としての地位を確立。老け役もこなす貫禄ある演技で、彼の演技の幅広さと重厚さを世に知らしめた歴史的ドラマです。
『SHOGUN 将軍』(2024年・FX) - 主演・吉井虎長 役/プロデューサー兼任
映画『SHOGUN 将軍』での真田広之 (主演・吉井虎長 役/プロデューサー兼任)
写真はpress.moviewalker.jpより 2024年に世界同時放送・配信されたアメリカの歴史大作ドラマ。ジェームズ・クラベルの小説を原作に、17世紀の日本を舞台とした国際共同制作作品です。真田広之は主人公・吉井虎長を演じると同時にプロデューサーとしても制作に深く関わりました。日本文化や武士道の精神を緻密に描写した再現度の高さが世界中で絶賛され、エミー賞作品賞(2024年)やゴールデングローブ賞主演男優賞(2025年・日本人初)など、数々の賞を受賞。俳優としてだけでなく、クリエイターとしての真田広之の才能も世界に示した画期的な作品です。
【その他】
ドラマや映画の他にもアニメ吹き替えや舞台、ラジオ番組、CM出演も多数あります。一部をご紹介しましょう。
劇場アニメ
- ミニオンズ(2015年)- Dumo役 ※日本語吹替版ではナレーションを担当
演劇
- ハムレット(1995年 / 1998年)- 主演・ハムレット 役 ※銀座セゾン劇場
- リア王(1999年)主演・リア王 役 ※同年から2000年、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー公演、演出:蜷川幸雄
- オケピ!(2000年)- 主演・コンダクター 役
ラジオ番組
- 真田広之 素敵にワイルドONE(ニッポン放送)
- 真田広之 燃えろ! サナディアンナイト(ニッポン放送)
- 真田広之のMORNING PASSAGE(エフエム東京)
CM
- JRA あなたがいるから競馬は楽しい(1994年 - 1995年)中井貴一、時任三郎と共演
- サントリー 膳(1998年 - 2001年)/清流七茶「自然に帰る・初夏篇」(2006年)
- JT Smoking Clean Style キャンペーン(2000年)
- オリンパス ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ(2007年)
- 日本コカ・コーラ 緑茶「綾鷹」(2007年)
- ブラウン 「ブラウン・シリーズ7」(2010年)
- 三菱UFJ信託銀行(2015年 - )中井貴一、柳沢慎吾と共演
アーティスト活動

アルバム「GOLDEN☆BEST 真田広之〜EPIC YEARS〜」
真田広之さんは1980年代には精力的に歌手活動もしており、シングルやアルバムを多数リリースしています。浜田省吾さんに曲を提供してもらったり、ビリー・ジョエルの未発表曲をカバーしたりと聴きごたえのあるストリート・ロックのディスコグラフィーが並びます。ここでは作品を一覧にまとめました。
シングル | ||
---|---|---|
1982年 | 砂漠の都会に/誓い(JACのテーマ) | 関西テレビ系ドラマ「影の軍団III」主題歌 |
1984年 | Believe in love/悲しみのベター・ハーフ | 映画「彩り河」主題歌 |
1988年 | たとえばフォーエバー | 「小泉今日子・真田広之」名義 |
1994年 | PAPER MOON 〜再会のテーマ〜/心の旅へ | 「PAPER MOON」(真田広之&BEGIN)」名義 |
アルバム | ||
1981年 | 青春の冒険者 〜真田広之ファースト〜 | オリジナルアルバム |
1984年 | After The Rush | オリジナルアルバム |
1986年 | movin' out | オリジナルアルバム |
1987年 | into the street | オリジナルアルバム |
1988年 | So,I am… | オリジナルアルバム |
1988年 | Summer Dream | オリジナルアルバム |
1989年 | FADED TOWN | オリジナルアルバム |
1991年 | Like a Cinema | オリジナルアルバム |
ベストアルバム | ||
1984年 | 太陽のREVOLUTION | |
2010年 | ゴールデン☆ベスト / 真田広之 〜Like a Cinema〜 | |
2011年 | GOLDEN☆BEST 真田広之〜EPIC YEARS〜 |
写真集
日本を代表する実力派俳優・真田広之さんは、その圧倒的な演技力と存在感で長年にわたり多くのファンを魅了してきました。そんな彼の若き日の姿や魅力を収めたフォトブックは、今でも貴重な資料として多くの人に愛されています。ここでは、真田広之さんの代表的な写真集3冊をご紹介します。
『真田広之 凛々たる遊戯 愛蔵版写真集』 (1983年・富士見書房)
1983年に発行された本作は、若き日の真田広之さんの魅力が凝縮された初期のフォトコレクション。アクション俳優として活躍していた当時の躍動感あるショットから静かに内面を見せるポートレートまで、多面的な魅力が詰まった一冊です。表情・仕草・視線の一つ一つに、俳優としての真剣さと、青年としての瑞々しさが感じられます。コレクターズアイテムとしても価値が高く、今なお多くのファンにとって宝物のような存在です。
『真田広之写真集 A man』(1992年・七賢出版)
30代に入り、俳優としてさらなる深みを増した時期に出版された写真集。タイトルの「A man」が象徴するように、成熟した男性としての魅力、そして真田広之という人間の内面を捉えた作品となっています。スーツ姿やカジュアルな服装でのショット、さらには自然体の表情など、幅広いスタイルで彼の魅力を表現しています。
『L’Homme Hiroyuki Sanada』(2000年・七賢出版)
フランス語の「L’Homme(=その男)」というタイトルが示す通り、国際的な視野で撮影・構成されたフォトブックです。40代を迎え、円熟味を帯びた真田広之さんの魅力を芸術的に切り取っており、洗練された構図やモノクローム写真も多く含まれています。国内外のファンに向けたグローバルな視点の一冊であり、俳優としてだけでなく、ひとりの「男」としての存在感が際立つ内容となっています。
受賞歴

「第82回ゴールデングローブ賞」テレビドラマ部門の主演男優賞を受賞した真田広之
真田広之さんの受賞歴は輝かしいものです。出演した映画やドラマのほとんどで何らかの賞を獲得しています。映画やテレビドラマの賞がほとんどですが、中には演劇での受賞や勲章(くんしょう・功労のあった人を国が表彰するもの)の受賞もあります。
日本アカデミー賞
- 第5回(1982年)新人俳優賞 『魔界転生』
- 第8回(1985年)優秀主演男優賞 『里見八犬伝』/『彩り河』/『麻雀放浪記』
- 第14回(1991年)優秀主演男優賞 『リメインズ 美しき勇者たち』/『つぐみ』/『病院へ行こう』
- 第17回(1994年)優秀主演男優賞 『眠らない街 新宿鮫』/『僕らはみんな生きている』
- 第26回(2003年)最優秀主演男優賞 『たそがれ清兵衛』
- 第29回(2006年)優秀主演男優賞 『亡国のイージス』
ブルーリボン賞
- 第36回(1993年)主演男優賞 『僕らはみんな生きている』
- 第38回(1995年)主演男優賞 『写楽』/『EAST MEETS WEST』/『緊急呼出し エマージェンシーコール』
- 第48回(2005年)主演男優賞 『亡国のイージス』
ゴールデン・アロー賞
- 第22回(1984年)演劇新人賞 『ゆかいな海賊大冒険』/『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』
- 第31回(1993年)放送賞 『高校教師』
キネマ旬報ベスト・テン
- 第62回(1988年)主演男優賞 『快盗ルビイ』
- 第67回(1993年)主演男優賞 『僕らはみんな生きている』
- 第69回(1995年)主演男優賞 『写楽』
- 第76回(2002年)主演男優賞 『たそがれ清兵衛』
日刊スポーツ映画大賞
- 第1回(1988年)助演男優賞 『快盗ルビイ』
- 第8回(1995年)主演男優賞 『写楽』
- 第15回(2002年)主演男優賞 『たそがれ清兵衛』
報知映画賞
- 第13回(1988年)最優秀主演男優賞 『快盗ルビイ』
- 第20回(1995年)最優秀主演男優賞 『写楽』
その他
- エランドール賞 新人賞(1982年)
- 文化庁芸術祭(1984年)個人賞 『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』
- 第3回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演男優賞 『僕が彼女に、借金をした理由。』
- 第21回松尾芸能賞(2000年)優秀賞 『オケピ!』
- 第8回読売演劇大賞(2001年)優秀男優賞 『オケピ!』
- 第53回芸術選奨(2002年)文部科学大臣賞 『たそがれ清兵衛』
- 第57回毎日映画コンクール(2002年)男優主演賞 『たそがれ清兵衛』
- 第13回淀川長治賞(2003年) 『たそがれ清兵衛』/『ラスト サムライ』
- 第3回日藝賞(2009年)
- 2024年度 朝日賞
真田広之さんのとっておき情報
ここでは真田広之さんに関するとっておきの情報をまとめました。
日本のテレビで「SHOGUN」は見られないの?
全米で大ヒット中のドラマ、真田広之さん主演の『SHOGUN(将軍)』ですが、残念ながら日本の地上波での放送はありません。現在は配信ドラマとして展開されており、将軍を見るにはディズニープラス(ディズニーがグローバルで展開する定額制動画配信サービス)への加入が必要です。ドラマといえば今でも地上波放送が主流の日本では、こうした「配信作品」に馴染みがない人も多く、少しもったいなく感じますね。しかし、「SHOGUN」はすでにシーズン2と3の制作も決定しており、今後さらに話題を呼ぶことは間違いなし。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
子供も俳優の道に?
真田広之の息子たち(左が日南人さん、右が奨之さん)
真田広之さんには、前妻・手塚理美さんとの間に2人の息子がいます。どちらもすでに成人しており、長男は大学時代にバンドを結成し、ギターを担当。現在も音楽活動を続けていると言われています。次男は俳優として活動している手塚日南人(てづか・ひなと)さんで、舞台やミュージカルを中心に精力的に出演しています。ミディアムロングの髪型とワイルドな雰囲気が、お父さんの真田広之さんにそっくりだとも言われています。音楽と演技、それぞれの分野で歩み始めた2人。これからどのように活躍していくのか、ますます注目が集まります。
英語はペラペラなの?
真田広之さんは英語を非常に流暢に話します。ハリウッド映画や海外ドラマでの現場では英語での演技・コミュニケーションが基本となっており、特に2003年の『ラストサムライ』以降は英語圏での活動が本格化。ネイティブスピーカーと自然に会話できるレベルの英語力を身につけています。アクセントはわずかにあるものの、発音は明瞭で聞き取りやすく、海外メディアのインタビューでも堂々とした態度でナチュラルに受け答え。その語学のセンスは多くの関係者からも高く評価されているそうです。
まとめ
日本のトップ俳優から、今やハリウッドスターとなった真田広之さん。20年以上も海外で戦ってきたその姿は、まさに武士そのものです。小柄な体格ながらも存在感は抜群で、アクションをはじめとする本気の演技が、さらなる躍進につながっています。現在は海外での活動や映画出演が多くなっていますが、また日本のテレビやドラマにも出演してくれることを期待したいですね。
よくある質問
真田広之さんに関するよくある質問をまとめました
真田広之ってどんな人?
日本を代表する国際派俳優です。子役から活動し、アクションスターとしても活動の場を広げました。現在はロサンゼルスを拠点に活動中です。
真田広之の本名は?
下澤廣之(しもざわひろゆき)です。子役時代は新字体で「下沢広之」と表記していました。
真田広之は何歳ですか?
1960年、昭和35年生まれです。2025年時点で65歳です。
真田広之の最も有名な映画は何ですか?
たくさんあれど、一つあげるなら「たそがれ清兵衛」ではないでしょうか。宮沢りえさんと共演し、数々の賞を獲得した感動作です。
真田広之には奥さんがいますか?
現在は独身です。1990年には女優の手塚理美さんと結婚し2児をもうけましたが1997年に離婚しました。