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京のお茶

目次

お茶ではんなり

みなさんはお茶が好きですか?

私は毎日飲んでいます。喉が乾いているときにもよし、ゆっくりしたい気分の時に飲むのもよし、いろんなシチュエーションでフル活用している飲み物、それがお茶です。

健康のため、美容のため、お茶を飲むのにはいろんな理由があると思います。しかも種類も多い!緑茶に紅茶、ウーロン茶、どくだみ茶、ルイボスティーにさまざまなフレーバーティー。

値段だってピンからキリまであり、お茶と一言にいっても選択肢は無限に広がります。ただ、私たちが「お茶」と聞いて真っ先に思い浮かぶのはあのちょっと渋めの緑茶じゃないでしょうか?

今回は京都のお茶にターゲットを絞って、お茶についてあれこれ見て行こうと思います。場所は800年の歴史を持つお茶どころ、京都府南部。それでは、ほんのり甘いお茶の旅へお連れいたしましょう。

お茶どころ、宇治

宇治茶と聞くと「高級」「老舗」なんていうワードがパッと浮かぶと思います。ペットボトルのお茶に「宇治抹茶入り」なんて書いてあったら、とりあえずおいしいに違いないと信じて買ってしまう。実際飲んでみたら評判通りのいいお味なので、知名度イコール信頼なんだなって納得させられますね。

そんな期待を裏切らない宇治茶ですが、この宇治茶が全国的に知れ渡ったのはなんと鎌倉時代だそう。足利義満お墨付きのお茶、それが宇治茶だったというわけです。

足利義満って、あの方です。アニメの一休さんにもでてらっしゃる、あの将軍。義満サンは宇治茶に特別の庇護を与えて、それは豊臣秀吉にも受け継がれたそうです。宇治茶のブランド化計画を達成されたわけですね。素晴らしいマーケティング力!

ではそもそもその宇治茶というのはどういったものを指すのでしょうか?ちょっと見てみましょう。

Uji tea plantation

Uji tea plantation

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宇治茶とは

宇治茶は京都や宇治田原周辺で生産・加工されるお茶のことをいいます。2004年に宇治茶の定義がハッキリと決定されたのですが、内容は以下のようになっています。

  • 京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶であること
  • 京都府内の業者が府内で仕上げ加工したもの
  • 京都府産を優先する

つまり宇治茶とは京都府内で京都の職人が製造加工したお茶ということになりますね。材料は主産地が京都産であれば周辺三県の茶葉を使用することができるということです。

それでは具体的に宇治茶にはどんな種類があるのか見てみましょう。

宇治茶の種類

Screenshot from Ochano Kyoto website

Screenshot from Ochano Kyoto website

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  • 抹茶
    よしず、わら、化学繊維などにより20日間以上日光を遮り、新芽を摘んで蒸し、もまずに乾かして石臼などでひいて粉にしたものです。まったりとした甘みのある味わいがします。
  • 玉露
    抹茶と同じ様に栽培され、新芽は蒸した後に揉みながら乾かします。宇治の玉露は日本茶の最高級品として扱われています。まろやかでコクのある味わいです。
  • 煎茶
    茶摘みから後の工程は玉露と同じ。日本茶の大部分を占める、緑茶の代表です。飲んだ後にスッキリするのが特徴です。
  • ほうじ茶
    煎茶や川柳などを焙じたお茶です。比較的タンニンやカフェインの含有量が少なく、香ばしくてやさしい口当たりなので万人受けします。
  • かぶせ茶 
    玉露と煎茶の中間です。わら、こも、化学繊維などの覆いを数日間茶樹にかぶせて、新芽を摘んだ後は玉露と同じように製造します。玉露の風味がありながらも煎茶のように爽やかな後味です。
  • 玄米茶
    番茶、玉露、煎茶などに玄米を炒ったものを混ぜた、香ばしい香りの日本茶です。まろやかであっさりしています。
  • 雁ヶ音(かりがね)
    茎の部分ばかりを集めて作られた日本茶です。 京都をはじめ関西では高級茶として知られています。茎には日本茶の甘み成分であるテアニンが1番多く含まれているのでまろやかな旨みが楽しめます。

では今現在、どんな会社がその宇治茶の伝統を守り、引き継いでいるのでしょうか?お茶の老舗にスポットを当てて追っていきましょう。

お茶の老舗

福寿園

福寿園は寛政2年(1790年)、福井伊右衛門によって創業。2004年にペットボトルのお茶「伊右衛門」をサントリーと共同開発したことで一気に爆発的に名前が有名になりましたね。製茶から販売まで一貫した製造直売を手がけており、海外にも販売店を展開しているんだとか。そういえばここのお茶って英語が併記してあるので海外へのお土産にピッタリ。外国の方にお茶をお土産として買ったり、外国からの旅行者にお土産用のお茶を案内するときはいつもここの製品をオススメしています。

森半

創業は天保7年(1836年)。お茶そのものもモチロン素晴らしいのですが、個人的には森半の凄さはそのスイーツにあると思っています。森半の抹茶を使ったスイーツは絶品。和でも洋でも、そのクリエイティブな精神に圧倒されます。森半のお抹茶スイーツをひとくち口に運んだ瞬間、キリッとした苦味とコクが甘さと融合して口の中いっぱいに幸せが訪れるんです。まさに至福のとき。ごめんなさい、ちょっと海原雄山風なコメントになってしまいましたが、そのぐらいスイーツは一押しです。一度ご賞味ください。

伊藤久右衛門

天保3年(1832年)創業。国宝である宇治平等院の近くにお店があります。カフェが併設してあって、ここのパフェは至高です。もはや食べる芸術品。あんこやクリームが脳を刺激、弾力のある抹茶ゼリーの部分が甘さを抑えてくれ、ついつい完食してしまいます。パフェなのにワビサビを感じさせてくれるとはこれいかに。また、久右衛門では抹茶カレーというヴィレッジヴァンガードで売ってそうな商品も取り扱っています。興味本位で食べてみたのですがなかなかのお味でした。

中村藤吉本店

創業安政6年(1859年)。お茶が持つ文化的なパワーと精神性を時代に合った形へと融合するというコンセプトの茶商さんです。宇治本店のカフェで食べることができる生茶ゼリーは悶絶もの。見た目から漂うその気品と完成度の高さはそのまま美術館に飾ってもいいぐらい。派手でもなく、地味でもなく、そのバランスの良さはあっぱれです。ちなみにゼリーは「ゼリイ」と表記してあります。隅々にまでこだわりを感じる逸品です。

辻利

創業は万延元年(1860年)で創業者は辻利右衛門さん。でも実は辻利っていくつかあるのご存知でした?本家は京都府宇治市に本社を構える「京都宇治辻利」。本家から暖簾割けされたのが「祇園辻利」、そして祇園都路里がカフェの「都路里」を展開しています。また他にも分家として「京都・宇治辻利兵衛本店」というところもあります。私はあの明治が出している辻利・お濃い抹茶というアイスバーが好きですね。お手軽ですが侮れないおいしさなので一度お試しください。

辻利兵衛本店

万延元年(1860)創業、宇治茶の栽培・加工に長い歴史を持ち、伝統のお茶から時代に合わせた新しいお茶のかたちまでを提案。宇治抹茶の食材としての可能性を探求しており、こだわりの抹茶スイーツを堪能することができます。茶寮では12時間抽出した氷出汁玉茶や大福、そして「ぱふぇ」など、色とりどりのスイーツが目白押し。抹茶好きなら一度は訪れたい場所です。

上林春松本店

創業されたのが永禄年間(1558~1570年)。将軍家へ茶葉を納めていたという歴史があるお茶の老舗です。「綾鷹」と聞いて、おぉ!となる方も多いのでは?綾鷹は日本コカ・コーラと共同開発したペットボトルのお茶ですが、「急須でいれたような緑茶のにごりとふくよかな旨み」というフレーズに覚えのある方もおられると思います。私的にはビシッと緑茶を飲みたい気分の時に選ぶブランドですね。ちなみに読み方は「かんばやししゅんしょう」です。

祥玉園製茶株式会社

創業文政10年(1827年)、お茶の製造から販売までを一貫して行っています。戦前戦後を通じて品種品評会で上位入賞を果たし、平成25年に開催されたお茶の品評会では玉露の部にて全国農林水産大臣賞を受賞したという実力派です。しかも祥玉園製茶5代目当主は茶師十段。クオリティにこだわる方は是非お試しを。

宇治にある各店舗へのアクセス

福寿園

【店舗】宇治茶工房
【住所】京都府宇治市宇治山田10番地
【TEL】0774-20-1100
【アクセス】京阪宇治駅から徒歩8分・JR宇治駅から徒歩15分

森半

【店舗】宇治森半店
【住所】京都府宇治市小倉町久保78番地
【TEL】0774-22-3063
【アクセス】近鉄京都線小倉駅から徒歩約10分 ・JR奈良線JR小倉駅から徒歩約15分、駐車場あり

伊藤久右衛門

【店舗】伊藤久右衛門本店茶房
【住所】京都府宇治市莵道荒槙19-3
【TEL】0774-23-3955
【アクセス】京阪宇治線三室戸駅から徒歩約5分・JR奈良線宇治駅から徒歩約12分、無料駐車場あり

中村藤吉本店

【店舗】宇治本店
【住所】京都府宇治市宇治壱番十番地
【TEL】0774-22-7800
【アクセス】JR奈良線宇治駅から徒歩1分・京阪宇治駅から徒歩10分 

辻利

【店舗】辻利宇治本店
【住所】京都府宇治市宇治妙楽156番地(宇治橋通り)
【TEL】0774-94-6990
【アクセス】JR奈良線宇治駅から徒歩5分

辻利兵衛本店

【店舗】辻利兵衛本店 京都宇治本店
【住所】京都府宇治市宇治若森41
【TEL】0774-29-9021
【アクセス】JR宇治駅から徒歩4分

上林春松本店

【店舗】直営小売店
【住所】京都府宇治市宇治妙楽38番地
【TEL】0774-22-2509
【アクセス】JR宇治駅から徒歩6分・京阪宇治駅から徒歩8分

祥玉園製茶株式会社

【店舗】祥玉園製茶株式会社
【住所】京都府京田辺市草内宮ノ後54
【TEL】0774-62-0136
【アクセス】JR同志社前駅から徒歩14分・近鉄興戸駅から徒歩11分

お茶に関するイベントなど

福寿園【CHA遊学パーク】

CHA遊学パークはお茶に関わったいろんな体験ができる施設です。石臼体験、抹茶一服体験コース、宇治茶体験コース、世界のお茶体験コースなどがご用意。予約制ですので必ず事前にお問い合わせくださいね。
【住所】京都府木津川市相楽台3-1-1
【TEL】0774-73-1200
【営業時間】10:00 ~ 16:00(体験受付終了は14:30分)

福寿園【宇治茶工房】

石臼で抹茶づくりの体験、茶器作り、煎茶マナー講座など伝統の宇治茶文化を心ゆくまで楽しめます。スケジュールについてはお問い合わせくださいね。
【住所】京都府宇治市宇治山田10番地
【TEL】0774-20-1100
【営業時間】10:00~17:00

福寿園【茶問屋ストリート】

茶問屋の様子や道具、お茶の栽培や製茶の資料が展示してある、風情ある資料館です。茶問屋が約40軒連なる木津川市山城町に2017年にオープンしました。
【住所】京都府木津川市山城町上狛東作り道16(福寿園本社前)
【TEL】0774-66-6280
【営業時間】10:00~12:00、13:00~16:00

上林春松本店【抹茶工場見学】

実際にお抹茶を碾いている、碾き茶室を窓越しに見学することができます。フワッと新鮮なお抹茶の香りに包まれて、心地良い時間を過ごすことができますよ!見学受け入れは1日1組のみ、予約制です。
【住所】京都府宇治市宇治蔭山9番地
【TEL】 0774-23-8855(代)/0120-23-8866(フリーダイヤル)
【営業時間】8:45~17:30

上林春松本店【宇治・上林記念館】

上林春松家に伝わる歴史資料を公開。禁裡・幕府や大名家に茶を運んだ呂宋(るそん)壺や豊臣秀吉の書状などが展示してあります。現在、館内メンテナンスの為に休館と言うことなので、訪れる前には必ずお問い合わせくださいね。
【住所】宇治市宇治妙楽38番地
【TEL】0774-22-2513

お茶のかんばやし【康風庵】

本格的なお茶席体験や抹茶の石臼体験、製茶具の展示見学ができます。製茶工場内での実際の作業工程をガラス越しに見学も可能です。英語対応もされていますので、外国人のお友達を案内するのにもいいですね。
【住所】京都府宇治市宇治妙楽43
【TEL】0774-22-5318
【営業時間】10:00〜16:30(L.O. 16:00)

宇治茶道場【匠の館】

日本茶のインストラクターがお茶の淹れ方をアドバイスをしてくれる宇治茶専門店です。利き茶ゲームの体験も可能。完全予約制なので事前に必ずお問い合わせくださいね。
【住所】京都府宇治市宇治又振17-1
【TEL】0774-23-0888
【営業時間】11:00〜17:00(L.O. 16:30)

丸久小山園【槇島工場】

抹茶ができるまでを見学できます。抹茶工場の見学やお茶審査室見学だけでなく、茶室体験、抹茶の試飲などもできますよ。所要時間約90分で要予約となっています。
【住所】京都府宇治市槇島町中川原172-4
【TEL】0774-20-0909(予約専用)
【営業時間】10:00〜12:00、13:00~16:00

和束ティー・フレンズ

日本茶の淹れ方をインストラクターが教えてくれます。話を聞くだけでなく煎茶の色や香りなどを体験できるので、後で自宅でも簡単に美味しくお茶を淹れることができるようになりますよ。2日前まで予約可能です。
【住所】京都府相楽郡和束町南大生水46
【TEL】0774-78-3033
【営業時間】11:00~16:00(応相談)

抹茶スイーツお取り寄せ・おすすめ3選

それでは自称抹茶スイーツの研究家である著者が独断と偏見で選んだ、お取り寄せもできるとっておきの京都の抹茶スイーツをご紹介します。

【マールブランシュ】 お濃茶ラングドシャ「茶の菓」

クッキー系でここまでハイクオリティなものを食べたことがありません。お抹茶の香りがしっかりして、間に挟まったホワイトチョコレートが出しゃばらずにいい仕事してくれます。1つ頂いただけで贅沢この上ない気分になりますよ。京都土産としても良いですが、遠方の方は思い切ってお取り寄せしてください。絶対に後悔はさせません。

公式サイト http://www.malebranche.co.jp/

【菓子職人】 抹茶トリュフ

いやぁこれは初めて食べた時、衝撃がはしりましたね。とろけるってこういうことか、と思いました。抹茶は京都の老舗「一保堂」の碾きたて抹茶を使用。一粒一粒が輝いています。自分へのご褒美にぜひ購入していただきたい逸品です。大袈裟でなく、毎日の暮らしが生き生きしますよ。

公式サイト https://www.kashishokunin.co.jp/onlineshop/

【シェ・アガタ】 挽きたて抹茶の贅沢テリーヌ

上品で繊細、まさに大人のスイーツです。日頃のストレスも吹っ飛びます。なめらかでスッと溶けていく感触は他では味わえません。濃厚な味を求めている方にもおすすめ。これを作っているパティシエ様を想像して、もうちょっと丁寧に生きなければ、と己の生き方を反省すらしてしまうほど完成度の高いスイーツです。

公式サイト https://www.kyoto-sweet.jp/

関連リンクのご紹介

お茶の京都

公式サイト https://ochanokyoto.jp/
オンラインショップ https://ochanokyoto.jp/onlineshop/

福寿園

公式サイト http://www.fukujuen.com/
オンラインショップ https://shop.fukujuen.com/

森半

公式サイト https://www.kyoeiseicha.co.jp/
オンラインショップ https://morihan.com/

伊藤久右衛門

公式サイト https://www.itohkyuemon.co.jp/corporate/
オンラインショップ https://www.itohkyuemon.co.jp/

中村藤吉本店

公式サイト https://www.tokichi.jp/
オンラインショップ https://store.tokichi.jp/

辻利

公式サイト https://www.kataoka.com/tsujiri/shop/
オンラインショップ https://tsujiri-uji.com/

辻利兵衛本店

公式サイト http://www.tsujirihei.co.jp
オンラインショップ https://www.rakuten.ne.jp/gold/tsujirihei/

上林春松本店\

公式サイト https://www.shunsho.co.jp/
オンラインショップ https://shop.shunsho.co.jp/

祥玉園製茶株式会社

公式サイト http://shogyokuen.co.jp/
オンラインショップ http://shop.shogyokuen.co.jp/

さいごに

著者は京都南部出身。物心つくまで宇治茶がそんなに全国的に、いや世界的に有名なものとは知りませんでした。塾の帰り道、お茶を煎るなんとも言えない芳ばしい香りを嗅ぎながら帰路についたことは懐かしい思い出です。英語塾の隣がお茶屋さんだったんですね。そこでシーズン限定で買えるめちゃくちゃに濃い茶ダンゴを食べるのが楽しみでした。

Tea from Kyoto

Tea from Kyoto

スクリーンショット

お茶というのは生活に密着しておきながら、その奥深さは計り知れません。歴史が長く、伝統を受け継ぎ、なのに生活にスッと馴染んでいる。全てひっくるめてお茶という飲み物が出来上がっているんですね。

のどかわいたー、お母さん!というフレーズからイメージするのもお茶。でもしきたりや作法といった様式美を感じさせることができるのもまたお茶なのです。お茶と過ごす毎日って豊か。そんな私は今日もせっせとお茶を飲み続けます。