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ナミビア

by  Hokuto Takemoto

目次
ナミブ砂漠のデッドフレイ(ナミビア)

ナミブ砂漠のデッドフレイ(ナミビア)

ナミビアは、アフリカという国を探求するのにうってつけの場所である。ここでは心地よさと過激さが共存し、水が少なく熱気が充満している。アフリカは野生の自然の原始的な魅力が堪能できるがゆえ、文明に支配されないリアルな観光を求める人にもってこいの国だ。

フィッシュ・リバー・キャニオンの荒涼とした美しさ、世界最古の砂漠の一部であるスケルトン・コーストのゾッとするような光景、ダマラランドの岩の彫刻などが、ナミビアを魅力的で壮大なものにしている。

ナミビアの歴史

ナミビアは1990年に独立した国家である。それ以前は、非常に波乱に満ちた歴史を背負った領土であった。

先住民の部族に属した時代もあればイギリスの統治下に置かれた時代もあり、19世紀末にはドイツの植民地となっている。

政権が交代するたびに激しい戦争が繰り広げられ、何千人もの人々が対立の中で命を落とした。

その後、この地域は南アフリカ共和国の前身である南アフリカ連邦の支配下に置かれた。

南アフリカ共和国は連邦から分離独立したが、ナミビアの領土を支配する権利を留保し、後に意図的にナミビアを先住民コミュニティにとっての本格的な居住区とした。

暴力的なアパルトヘイト政策に終止符が打たれたのはナミビアが24年にわたる独立闘争の末、主権国家の地位を得た1990年のことである。

現在、ナミビアの人口は250万人と推定されており、白人ナミビア人の割合は5%程度とされている。

その他、オワンボ族、ナマ族、ヘレロ族、ダマラ族、カプリビ族、ヒンバ族など11の先住民族コミュニティが存在している。

ナミビアの地理は独特で、東にカラハリ、西にナミブという2つの砂漠がある。

東側のカラハリ砂漠と西側のナミブ砂漠はどちらも世界最古の砂漠で、大西洋岸から水が湧き出ている。また、国土の北部にはジャングルが広がっている。

ナミビアはアフリカで最も豊かな国のひとつだが、この繁栄は非常に象徴的な意味合いを持つ。それは、この国が最大のダイヤモンド鉱床とウラン採掘で有名だからである。

ウィントフックを拠点とするナミビア証券取引所では、毎日、数百万ドル規模の取引が成立しており、ナミビアの大地からは銅、金、ワルフラム、ガスが大量に採掘されている。しかし、その一方で人々は極度の貧困にあえいでいる。

黒人の3分の1は1日1ドルで生活しており、あとの53%の恵まれた層は2ドルで生活している。

逆に、一般人口のわずか5%を占める白人が、国家収入の半分以上を消費している事態にある。

ナミビアの独立は30年以上続いているにもかかわらず、その経済はいまだにかつての支配者であった南アフリカ共和国と直接的かつ密接に結びついている

国の通貨であるナミビア・ドルでさえ、ナミビア領内で自由に流通する南アフリカ・ランドの為替レートに依存している。

首都ウィントフック〜岩に囲まれた「風の曲がり角」〜

1890年まで、ナミビアの首都はナマ族が所有する土地の一部にすぎなかった。

乏しい草木、砂、岩が、当時のウィントフックの唯一の財産だった。

しかし、カイザー陸軍将校のクルト・フォン・フランソワがここにやってきて、先住民を追い出し、新しい都市の始まりとなる砦の建設を始めた。

ナマ族は領土を取り戻そうと何度も試みたが、植民者たちはすべての反乱を打ち破った。

入植者たちは自分たちのやり方で都市を建設した。古代の建築物全体が、今日までカイザー・ドイツのスピリットを受け継いでいる。1904年になってクリストゥスク教会(キリスト教会)が建てられた。

その後、現在のナミビア国会議事堂であるティンテンパラスト(インクの宮殿)が建設された。

どちらの傑作もドイツ人建築家ゴットリープ・レデッカーの設計によるネオ・ロマネスク様式で建てられた。

古代の建築物以外にも、新聞、研修や資格を発行するゲーテ・インスティトゥートのコース、おいしいビール、キャベツ入りソーセージ、アイスバイン、その他のドイツ国民食を提供するパブ、バー、カフェなど、多くの遺産を通してドイツという国を感じることができる。

現在、ウィントフックは人口30万人を擁するナミビア最大の都市であり、その大半はアフリカの先住民族である。

白人は少なく、そのほとんどが南アフリカ共和国から移住してきたドイツ系入植者とアフリカーナ人の子孫となっている。

ここでは、英語、ドイツ語、アフリカーンス語、そして先住民族の方言を耳にすることができる。この国全体が多国籍で多言語であるように、この都市もまた多国籍である。

首都は政治とビジネスの中心地であり、ナミビア政府と証券取引所があり、さまざまな企業の事業所や事務所が集まっている。

ウィントフックの観光客は、ナミビア国立博物館、ナミビア国立美術館、オウェラ博物館、地質調査博物館を訪れて楽しいツアーを楽しめる。

エア・ナミビアの本社もここにある。

気候

概して、ウィントフックの気候はアフリカの他の首都や国々と比べて温暖である。

年間平均気温は19.5℃。ウィントフックは熱帯との境界に位置している。

南の山々が風から街を守っている環境にある。

夏は乾燥して暑く、日中の気温は30~35℃に達することもある。日中の暑さは夕方には過ぎ去り、朝まで涼しさが続く。

アフリカへのツアーに参加する人は皆、ナミビアの夏が10月から3月までだということを覚えておかなければならない。

ナミビアでは冬に雨が降ることがあり、年間平均降水量は330ミリとアフリカ大陸の中ではかなり多い。

しかし、これは都市生活にかなり好影響を与えており、多くの緑が自然な形で十分な水分を得ることができる。

とはいえ、干ばつもよくあることなので、雨水はすべて徹底的に集められ、貯水池に蓄えられている。

南アフリカ全体がそうであるように、ウィントフックの冬は6月に始まり8月に終わる。

この時期の気候は、酷暑を好まない観光客にとってはとても快適だ。

日中の気温は20~24℃ほどであるが、夜は0~5℃程度とかなり冷え込む。

ナミビアのホテル〜どこに泊まる?〜

この国の観光業はまだトップレベルには達していないが、絶え間なく発展している。ホテル、バンガロー、キャンプ場、ロッジなど、世界各地からの宿泊客が滞在先を求めてやってくる。

ところで、ナミビアを最も頻繁に訪れるのはドイツ人とイギリス人である。

これは、植民地化した祖先との古くからのつながりに由来しているのかもしれない。

これらの国からの観光客はサービスの質に高い基準を課すので、地元のホテル経営者はその要求に応えようと努力するしかない。

ナミビアの人気ホテルトップ5は以下の通り。

  1. リークス・ファン・デル・ウォルト・セルフケータリング(ウィントフック)

    パティオ付きの4つ星アパートメント。インターネットとWi-Fi、無料の専用駐車場を利用できる。場所はショッピングモールとウェアハウス劇場に程近い。ペットの同伴も可能。自炊式のホテルなので、設備の整ったキッチンを利用することができる。

  2. リューデリッツ・ネスト・ホテル(リューデリッツ)

    大西洋を見渡す居心地の良いホテル。温水プール、Wi-Fi、駐車場、レンタカーを完備。宿泊客への特別プレゼントとして、無料の朝食サービスが提供される。

  3. グルトンハウス(ウィントフック)

    ナミビアの首都の中心部に位置するBBタイプのホテル。禁煙ルーム、レストラン、Wi-Fi、専用駐車場、レンタカーサービスが整っている。このホテルはナミビアの首都ウィントフックから30分のところに位置しており、ダーン・ヴィルジョエン周辺の探索に便利。

  4. バガテル・カラハリ・ゲーム・ランチ

    カラハリ砂漠の端に豪華なバンガローを持つ宿泊施設である。プライベート・ミニ動物園もある。ここで出される食事には、郷土料理やアンテロープ、クロコダイルなどのエキゾチックな肉料理が並ぶ。

  5. デザート・ホース・イン(クライン・アウス・ヴィスタ、リューデリッツ郊外)

    崖の斜面に建てられた8棟の花崗岩の家からなるエキゾチックなイーグルズ・ネスト・キャンプ場だ 。各部屋にはバスタブ、冷たい飲み物の入ったミニバー、そして最大の特徴である岩でできた家具が備え付けられている。

利用客からの評判によると、ナミビアのホテルの印象は非常に優れているという。

清潔で静か、バラエティに富んだ美味しい食事、そして手頃な価格というのがその理由だ。 

ナミビアの見どころ〜観光名所と楽しみ方〜

ナミビアを訪れて満足しない人はいないだろう。

単にウィントフックに焦点を絞った旅であっても、そこには溢れんばかりの感動がある。首都ウィントフックにはあらゆる国立博物館があり、観光客を惹きつけてやまない。

冒険好きの方、異国の地に思いを馳せたい方は、ナミビアの観光名所トップ10にある絶景ツアーに注目してみてはいかがだろう。

  1. フィッシュ・リバー・キャニオン

    ウィントフックからオフロード車で6~7時間のところにある古代の渓谷。アメリカのグランドキャニオンより大きく、深い。設備の整った安全な展望台と経験豊富なガイドのサービスがあり、想像を絶するような忘れられない光景を見ることができる。

  2. クィーバー・ツリー・フォレスト

    巨大なクィーバー・ツリーが生育する場所。最も鮮烈な景色は夕暮れ時に見ることができるので、写真を撮るなら、ぜひ機会を逃さずにこの独特の美しさを写真に収めていただきたい。

  3. リューデリッツ

    ナミビアに最初に入植したドイツ人の一人にちなんで名づけられた港町だ。リューデリッツから10キロほど内陸に入ったところにあるコルマンスコップ(Kolmanskop)は、1930年代に廃墟となったゴーストタウンである。

  4. ソスフレイ

    ナミブ・ナウクルフト国立公園の一部で、世界中から訪れる観光客に愛されている。広々とした大地、デッドツリー渓谷、そして輝かしい夕日の景色が、この地ソスフレイを幽玄の美しさへと導いている。

  5. スワコプムント

    エトーシャ国立公園に行く途中に立ち寄るだけの価値がある場所だ。大西洋岸のこの小さなビーチリゾートは、アザラシの保護区を見たり、ボートトリップに出かけたり、広大な砂丘をバギーで走ったりすることができ、多くの観光客を魅了している。自家用機で上空から優雅に街を眺めたりすることも可能。また、このアクティビティでいっぱいの地を後にする際には、また戻ってくることを願って海にコインを投げ入れる、なんていう体験もできるのでぜひ試してみてほしい。

  6. ケープ・クロス

    海岸でのんびりとひなたぼっこをする大きくて光沢のある毛皮の動物をじっくり見たい人にとって最高の場所だ。スワコプムントから1.5kmに位置するこのアザラシの楽園は世界最大のオットセイのコロニーである。また、旅行者には入り口で売られている塩の結晶が良いお土産になるだろう。

  7. エトーシャ国立公園

    ナミビアの至宝とも言われるエトーシャ国立公園。毎日何百人もの観光客が訪れるこの地には崖、小渓谷、平原、多数の貯水池などがあり、アフリカ動物を自然体で見ることができる。

  8. ダマラランド

    エトーシャ国立公園からそう遠くない場所にあるダマラランド。ナミビアで最も美しい場所のひとつで、ここでは悠久の砂地、太古の崖、平原、そして乾燥した河床を見ることができる。この地域の首都ホリシャスへ向かう道中には、トゥウェイフルフォンテーンを訪れ、8000年以上前に描かれた壮大な洞窟壁画を見ることをおすすめする。

  9. ヒンバ族の村

    ここではアフリカの部族の生活を間近に見ることができる。村の見学、住民とのコミュニケーション、そして旅の思い出になる記念撮影は貴重な体験となるだろう。この集落はエトーシャ国立公園からもそう遠くない。

  10. スケルトン・コースト国立公園

    ナミビア観光には欠かせない場所。国立公園への立ち入りは制限されているが、それでも観光客は難破船の残骸や廃墟、滝、数十キロ先で轟音が聞こえる砂丘などを見ることができる。

ナミビアは、野生動物の狩猟であるサファリが許可されている数少ないアフリカ諸国のひとつである。

ここでは皮を購入することも合法である。狩猟は観光業で収入を得る地元のガイドによって組織的に行われている場合が多い。

ただ、何といっても注意しなければならないのはナミビアの道路事情だ。

全長65,000kmのうち、舗装道路はわずか5,000km。

残りは砂利なので、国内を何とかして回りたいという人には全輪駆動車が絶対に必要だと言えるだろう。

ナミビアのフード

ナミビアには本格的な国民食がないため、地元民も旅行者もそれぞれ自分たちの好きなもの食べるのが普通だ。

レストランやカフェでは、さまざまな料理が提供されている。観光客はピザやハンバーガー、キャベツ入りドイツソーセージを頼んでもいいし、現地のローカル料理を試してみてもいい。

珍しいものを食べたいという好奇心旺盛な人には、カモシカのステーキ、ワニのシチュー、鳥の卵、ライオンのヒレ肉、アリやシロアリで作ったドレッシングなどがおすすめだ。

毎年何千人ものシーフード愛好家がナミビアを訪れ、わざわざナミビアの牡蠣を食べる。

面白いことに、地元のビールは古いドイツのレシピに従って醸造されており、その出来はベルリンやデュッセルドルフのものと比べても遜色ない。

さらに、ウィントフックではオクトーバーフェストと呼ばれるビール愛好家の祭典がドイツと同じ盛大なスケールとムードで開催される。

ナミビアは初めてのアフリカ旅行にはいい選択肢だ。

酷暑でないこと、サービスが行き届いていること、ツアーガイドがいること、そして手ごろな値段は、この旅を忘れがたいものにしてくれるに違いない。

アフリカ旅行の上級者さえも、人跡未踏の道を散策したり、スリルと感動に満ちた秘境の世界に飛び込むことができるナミビアを、大変高く評価している。