七瀬葵
七瀬葵(ななせ・あおい)さんは山口県萩市出身の漫画家、イラストレーターです。アニメ、ゲーム、イラスト画集、漫画単行本など数々の出版があり、キャラクターデザイナーとしても根強い人気を誇る七瀬葵さんのプロフィールを紹介しながらその人物像に迫ります。
プロフィール
七瀬葵(ななせ・あおい)さんは1967年6月12日生まれ、山口県萩市出身。A型。地方のためまんがもあまり周りにはなく、テレビも民放1局という環境だったものの、たまに買ってもらったまんがに夢中になりました。幼稚園の頃から落書き帳に絵を描いたり、高校時代は学校の自習室の机にアニメのキャラクターやオリジナルの絵を落書きしていましたが、漫画研究部などには入っていませんでした。
高校は受験校であったことから美術系大学への進学はあきらめ、上京して短大に入学。卒業後はそのまま東京に残り就職をしました。働きながらまんがを描こうと考えていたものの、時間的に厳しく、その後会社を辞めてアニメの専門学校に入学します。アニメーターになりたく、またいずれは絵に関係した会社に所属したいと考えての選択でしたが、紆余曲折がありうまくいかなかったとインタビュー記事で本人が言及しています。
専門学校入学後に結婚、主婦業のかたわら1993年に「サムライ・スピリッツ」の二次創作同人誌(同じ趣味や志を持つ同士が集まり、創作活動から自費で制作・印刷した雑誌のこと。正式名称は「同人雑誌」)を発刊し、同人活動を始めます。「コミケの女帝」と称されるほど人気を博し、イベントにて自身のブースに立ち寄った編集者の目に留まり、1993年にボビージャパン刊行の「飢狼伝説」アンソロジーコミック(短編や読み切りの漫画を収録した出版物)にてデビューしました。
1994年には対戦型格闘ゲーム「あすか120% BURNING Fest.」のキャラクターデザインを務め、1997年からは清水文化のライトノベル「気象精霊記」シリーズのイラストを担当。その後も様々なキャラクターデザイン、イラスト寄稿、そして同人活動も引き続き勢力的に行ってきましたが、2022年頃からは画像生成AIの活用に関心を持ち、X (旧Twitter)やPixivにイラストを投稿するほか、AI作家としてイラスト集も発行しています。
七瀬葵さんのプライベートに関しては公になっていることが少ないです。最初の結婚は就職後に通った専門学校時代でした。まんがの連載が始まってからは、家庭と仕事の優先順位で悩んでいるうちに同人活動が主になり、離婚に至ったと本人のインタビューで答えています。詳細時期や子供の有無は確認されていません。後に本人のX (旧Twitter)にて2020年に再婚したことが発表されました。また、病気療養を経て双極性障害の診断を受けていることも公表しています。
活動歴
イラストレーター、漫画家、同人誌活動、そして近年はAIアーティストとして数多くの作品を生み出してきた七瀬葵さんの活動や作品をご紹介します。
1993年
ホビージャパン「餓狼伝説アンソロジー」にて商業誌デビュー 。
1994年
FMタウンズ格闘ゲーム「あすか120%」にてキャラクターデザイン、原画、パッケージイラスト を担当。
1997年
清水文化のライトノベル「気象精霊記」のイラストを担当する。しかし後に編集、原作者、七瀬葵の間で意思の疎通がなされなかったこと、自身のブログでの発言などが原因となり、2006年、イラスト担当としての続行が不可能となる。
1998年
角川書店「ニュータイプ」漫画「ANGEL/DUST」連載単行本1冊発売 。
1999年
OVAサムライスピリッツ2 アスラ斬魔伝 キャラクターデザイン 、 テレビ東京系アニメ「セラフィムコール」キャラクターデザインを担当。
2000年
集英社ウルトラジャンプにて「ぷちモン」9年間連載単行本1〜10巻発売 。角川書店 ニュータイプにて「ANGEL/DUST neo」連載単行本1冊発売。株式会社アトラス・プレイステーション用ゲーム「アイシア」キャラクターデザイン担当。
2005年
スクウェアエニックス ガンガンパワードにて漫画「HEAVEN」連載単行本1冊発売。
2006年
角川書店コンプエースにて「てぃんくる☆マイスター きらは」連載単行本1冊発売。
2011年
フランス、パリにて開催される「JAPAN Expo」に出展した東京ビッグサイトの擬人化キャラクター「東京ビッグサイトちゃん」を担当。
2014年
「ミステリートF」のキャラクターデザイン及び原画として発表されたものの、同年10月、体調不良を理由に降板。
2016年
ソーシャルゲーム「ホウチ帝国」告知用イラスト、ソーシャルゲーム「マビノギデュエル」にてカードイラスト担当。その他ライトノベル表紙イラスト、画集3冊、漫画単行本14冊を出版。
2022年
AIイラストレーターとして活動開始。ASMRライブねこねこだんろ朗読劇・黒猫の「ボンベイ」を担当。
2023年
カードバトルダークエリス第1回AIイラストコンテスト「姫騎士カーマイン」にて特別賞を受賞。
代表作品
画集
「ゲーメストムック【あすか120%イラストレーションズ】」
「Angel Flavor」
「七瀬葵・複製原画コレクション 」
「SEVEN COLORS OF THE WIND」
イラストレーション
「東京ビッグサイト公式イメージキャラクター(姉)」
「気象精霊記シリーズ」
「気象精霊ぷらくてぃかシリーズ」
「ミュートスノート戦記シリーズ」
「セラフィムコール」(メディアワークス『電撃G'sマガジン』連載読者参加企画)
漫画
「七瀬葵サムライスピリッツ作品集」【白き巫女の伝説】
「ANGEL/DUSTシリーズ」
「てぃんくる☆マイスター きらは」
「ぷちモン PetitMonster」
「HEAVEN」
他、各種ゲームアンソロジーコミックに多数漫画・イラストを寄稿
ゲーム
「あすか120%」
「アイシア」
「超格闘SLAVE」
「ツヴァイ!!」
「アクエリアンエイジシリーズ」
「ディメンション・ゼロ」
「モンスターコレクション」
「バトルスピリッツ」
「ガンダムウォー」
「カレイド恋歌」
アニメーション
「サムライスピリッツ2 アスラ斬魔伝」
「セラフィムコール 」
同人活動
1993年
「POWER GRADATION」という名の同人サークルにて活動開始(2000年に名称を「SEVENTH HERVEN」と改称)。
2001年
「ながせまゆ」の名義で「Dessert rode」という別サークルを立ち上げて成人作品を発表。
2008年
2004年に多忙を理由に休止していた活動を再開、「姫神-himegami-」というサークル名にて活動(2009年に名称を「SEVENTH HERVEN」に戻す)。
2012年
「POWER GRADATION」名義で約10年ぶりのコミックマーケット(東京ビックサイトにて開催される世界最大級の同人誌即売会)に参加。
葵さんのとっておき情報
子供の頃に印象に残っている漫画は?
従兄弟からもらって読んでいた「少年サンデー」に掲載されていた「うる星やつら」。女の子のキャラクターが可愛らしく、ギャグが面白かったからだそうです。それに一つの作品を最終巻まで読んだ経験がほとんどなかったことから、一話完結で最後にオチがあるこの「うる星やつら」が読みやすく気に入っていたとインタビューで語っています。
関連リンク
まとめ
デビュー当時は「コミケの女帝」と称された七瀬葵さん。さまざまな仕事が途切れることなく順調に活動されておられましたが、病気で体調を崩したことをきっかけに双極性障害(うつ状態と躁状態を繰り返す病気)を患い、SNSで攻撃的な発信や不安定な様子が見受けられることもあり、少し心配です。現在はクリエイター向けのプラットフォーム「note」で、画像生成AIについての記事を積極的に投稿されています。今後も穏やかに活動を続け、素晴らしい作品が生まれることを願っています。
よくある質問
七瀬葵さんってどんな人?
1967年生まれの漫画家、イラストレーターです。2022年頃からはAIイラストレーターとしても活動しています。
七瀬葵さんはいつ頃から有名になりましたか?
1993年「サムライスピリッツ」の同人誌を発行した頃より「コミケの女帝」と称され、その後商業活動も精力的に行いました。
七瀬葵さんの最も有名な作品は何ですか?
1994年に発表された対戦型格闘ゲーム「あすか120%」のキャラクターデザインです。
七瀬葵さんは今も活動を続けていますか?
近年は画像生成AIの活用に感心を持ち、XやPixivに多くの画像を投稿したり、また、同人活動も時々行っているとのことです。
七瀬葵さんの最新の作品は何ですか?
2023年発行カードゲーム「ダークエリス」の「姫騎士カーマイン」というAIイラストです。
「ながせまゆ」さんと七瀬葵さんは同一人物ですか?
同一人物です。成人向け作品を手掛けるときは「ながせ まゆ」名義を使っていましたが、2008年頃からは成人作品も「七瀬葵」で活動しています。