隅田川花火大会
隅田川花火大会(すみだがわはなびたいかい)は東京都の隅田川沿いの河川敷にて、毎年7月の最終同曜日に行われる花火大会です。芸能人や著名人によるテレビ中継でもおなじみ、東京の夏の風物詩として欠かせない一大イベント!ここではそんな隅田川花火大会についての歴史や成り立ちを紹介しながら、見どころや行き方を詳しく解説していきます。
基本情報
隅田川花火大会(Sumidagawa Fireworks Festival)は毎年7月の最終土曜日に行われる大規模な花火大会です。8月に行われる「江戸川区花火大会」とともに「東京二大花火大会」の一つにも数えられています。享保18年(1773年)に始まった両国の花火の伝統を受け継いでおり、両国ゆかりの花火業者と全国の大会で優秀な成績をおさめた業者を加えて花火コンクールも行われています。
開催は2つの会場にわかれており、第一会場は桜橋下流から言門橋上流、第二会場は駒形橋下流から厩橋(うまやばし)上流です。花火コンクールは第一会場で行われます。第一会場では9350発、第二会場では10650発、計約20000発が打ち上げられます。運営には協賛金を募っており、その返礼として特別観覧席が用意されています。河川敷のない川上での打ち上げということもあり一般有料観覧席はないものの、浅草花やしきの園内、東京スカイツリー、屋形船等では花火観覧のための特別チケットを販売しています。
名称 | 隅田川花火大会(すみだがわはなびたいかい) |
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開催場所 | 隅田川近辺、浅草、向島周辺 |
主催者 | 隅田川花火大会実行委員会 |
開催時期 | 7月最終土曜日 |
公式サイト |
歴史
この隅田川花火大会は江戸幕府8代将軍の徳川吉宗が、当時の大飢饉や疾病による死者供養と、悪疫退散を祈願して1733年(享保18年)に両国橋付近で行った「水神祭」に由来します。そこで行われた「両国川開き花火大会」を継承したのが現在の隅田川花火大会です。途中、第二次世界大戦や交通事情の悪化、隅田川の水質悪化などで中断しましたが、1978年(昭和53年)に地元の強い要望や働きかけにより復活して今に至ります。それではその歴史を詳しく追ってみましょう。
1733年(享保18年)
旧暦の5月28日、徳川吉宗が両国で「水神祭」(両国川開き)を開催、そこで打ち上げられた花火が現在の花火大会の始まりとされている。
1897年(明治30年)
当時の開催場所、両国橋に見物客が多数押し寄せたため、欄干が崩れ落ちる事故が起きる。死傷者が約130人も出る大惨事になり、1904年(明治37年)に新しい欄干が完成するまで橋上での花火見物は禁止された。
1938年(昭和13年)~1947年(昭和22年)
第一次世界大戦、第二次世界大戦などにより11年間にわたり中断。
1948年(昭和23年)
8月1日、両国川開きの花火が復活。約70万人もの人出で賑わう。同年、隅田川の両国橋下流、新大橋との間で第一回全国花火コンクール大会が開催され、皇太子とマッカーサーの子息が見物する。
1959年(昭和34年)
5寸玉(直径14.2cm、打ち上げ時の直径約150m)の使用が禁止になり、4寸玉以下になる。
1961年(昭和36年)
高度成長期につれ周辺の交通規制が社会問題化し、又隅田川の汚染などで環境が悪化したため、この年を最後に大会が中断される。
1978年(昭和58年)
1974年に浅草環境協会が中心となり、両国花火準備委員会設立の動きが出て花火大会の復活に乗り出す。厳密な現地調査を経てその4年後、「隅田川花火大会」と名称を替えて復活する。
1986年(昭和61年)
1959年に禁止された5寸玉の打ち上げが関係者の懇願により復活。
2000年(平成12年)
九州・沖縄サミットが開催された影響により8月開催に延期。
2011年(平成23年)
東日本大震災の影響により8月下旬に変更して開催。
2013年(平成25年)
大雨・洪水警報が発表され悪天候のため開始30分ほどで途中打ち切り、史上初の完全中止となる。
2018年(平成30年)
当日台風28号接近に伴い翌日に延期して開催。大会の警備に人工知能(AI)が初めて導入される。
2020年(令和2年)~2022年(令和4年)
新型コロナウイルス感染症流行拡大の影響により3年連続中止。
2023年(令和5年)
4年ぶりに開催し過去最多の約103万人が訪れる。東京スカイツリーが花火大会とコラボして、特別ライティング「不死鳥」の点灯と光の演出を行う。
見どころ
墨田川花火大会は観客との距離が比較的近く、大迫力を味わうことができる花火大会です。そんな大都会の行事の見どころを紹介します。
第一会場の特徴
花火コンクールはこの会場で行われます。コンクールは「タイトル」と花火作品でつくる「世界観と整合性」が重視されますので、大会プログラムに記載された作品タイトルと照らし合わせながら楽しむことが出来るでしょう。コンクール以外にも創作花火など様々に工夫をこらした打ち上げがたくさんあります。浅草寺の境内からもよく見えるので、浅草の歴史ある街並みと花火のコントラストが絶景です。
第二会場の特徴
第一会場より30分遅く始まりますが、こちらの方が多くの打ち上げがあります。創作花火やスターマイン(花火の打ち上げ方法で速射連発のこと)など華やかな作品がメインであることが特徴です。周辺建物の関係により、第一会場ほど高くは打ち上げることができないので、近くで迫力ある花火が見たい人、突きあげては散る花火音の変化を体全体で感じたい人におすすめです。
開催日程
毎年7月の最終土曜日。(荒天の場合は中止)
第一会場・午後7時〜午後8時30分まで、第二会場・午後7時30分〜午後8時30分まで。
アクセス方法
隅田川花火大会は隅田川近辺(浅草・向島周辺)にて開催されます。会場への行き方は以下の通りです。
第一会場の場合
(東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線)浅草駅より徒歩約10分
(京成押上線・東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄浅草線)押上前駅より徒歩約10分
(東武亀戸線)曳舟駅より徒歩約10分
第二会場の場合
(東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線)浅草駅より徒歩約8分
(都営地下鉄浅草線・都営地下鉄大江戸線)蔵前駅より徒歩約9分
(JR東日本総武線・都営地下鉄大江戸線)両国駅より徒歩約12分
(JR東日本総武線・都営地下鉄浅草線)浅草橋駅より徒歩約12分
車の場合
大会当日夜は首都高速6号向島線が全面通行止めになります。周辺道路も許可車以外通行止めの措置が取られることもあるので、主催者は車以外の方法を強く推奨。花火大会専用の駐車場はありません。
関連施設
「両国花火資料館」(東京都墨田区両国2-10-8 住友不動産両国ビル1F)
隅田川花火大会の歴史を示す資料が展示されている。入場無料
豆知識
それでは、隅田川花火大会についてさらに興味深い情報をご紹介します。
7月に開催される理由は?
この花火大会は江戸時代に起源があります。徳川吉宗が悪疫退散祈願を込めて隅田川で水神祭りを行ったのは旧暦の5月でした。これは現在の暦でいうと7月になります。江戸時代の習わしが現代にまで確かに伝わっていることがうかがえます。
TV生中継は46年の長きにわたりテレビ東京が独占
花火大会は1978年(昭和53年)に現在の形で復活してから、テレビ東京が独占生中継をしています。大会復活の際にテレビ東京が密に関わっていたからということです。そして新人女性アナウンサーがヘリコプターから花火の様子を中継するのも恒例となっています。
大都会ならではの魅力や苦労は?
他の大規模な花火大会と異なる点として、川幅が狭く周囲にビルやマンションが立ち並ぶ場所で開催されるということ、そして膨大な人手に伴い安全の為の規制が非常に厳しいことが挙げられます。関係各所は常に神経をすり減らし、花火師も創作とともに安全面にも細心の注意を払います。その結果、都会の高層ビル群に映し出される花火は幻想的で美しく、他の花火大会にはない特別な魅力が生み出されています。
よくある質問
市民協賛席とは何ですか?どのような種類の席がありますか?
隅田川花火大会では市民から個人協賛を募り、そのお礼として特設観覧席へ招待するシステムがあります。席の種類はビニールシートとパイプ椅子席(全席指定席)があり、料金や人数に応じて席が決まります。
市民協賛席の申し込み、支払い方法を教えてください。
希望の会場によって申し込み方法が異なります。web応募とハガキ応募があり、webの場合は先着順、ハガキの場合は抽選となります。ハガキ応募の支払いはゆうちょ銀行振込、web応募の場合はチケットペイ(チケット発券システム)にてカード決済など複数の方法から選べます。
天候によって中止や延期はありますか?
小雨であれば決行します。台風などの荒天は中止です。順延日は設けておりません。
会場には屋台や出店はありますか?
主に5つの会場で屋台が出店され、多種多様な屋台が揃っています。特に人気のスポットは浅草寺で、花火も綺麗に見ることができる場所です。その他隅田公園、曳舟駅周辺の水戸街道、我妻橋周辺、蔵前駅周辺で出店があり様々な飲食が楽しめます。
東京スカイツリーで花火を見ることはできますか?
花火大会の日は特別営業になり、抽選で当たった方のみが入場できます。その他、スカイツリー内展望レストラン「MUSASHI」では花火大会当日の特別ディナーを予約制で提供しています。