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長岡まつり大花火大会

長岡まつり大花火大会ながおかまつりおおはなびたいかい)は、新潟県長岡市で行われる「長岡まつり」中の大イベントです。2日間にわたって開催される計2万発にも及ぶ大規模な花火大会は、日本三大花火大会のうちの一つとなっています。ここではそんな長岡まつり大花火大会についての歴史や成り立ちを紹介しながら、見どころや行き方を詳しく解説していきます。

竹本 北斗

目次
Nagaoka Fireworks Festival

長岡まつり大花火大会

基本情報

長岡まつり大花火大会Nagaoka Fireworks Festival)は毎年8月2日、3日に新潟県長岡市の信濃川河川敷で開催される花火大会です。「長岡まつり」の最大イベントとして華やかに繰り広げられ、秋田県・大仙市の「大曲の花火」、茨城県・土浦市の「土浦全国花火競技大会」とともに「日本三大花火大会」の一つとされています。毎年多くの人々を魅了してやまないこの長岡の迫力満点の花火には、戦争で亡くなられた人への慰霊と平和への想いが込められています

1945年(昭和20年)8月1日、午後10時30分。長岡市内にB29大型爆撃機が来襲、市街地の約8割が焼きつくされ、1488名もの尊い命が奪われました。その空襲犠牲者の慰霊として毎年8月1日には、まず白一色の「白菊」という慰霊の花火が3発のみ午後10時30分に打ち上げられます。空襲の翌年から「長岡復興祭」が開催され、現在は「長岡まつり」として2日、3日の2日間にわたって壮大なスケールの花火大会が行われます。

名称

長岡まつり大花火大会(ながおかまつりおおはなびたいかい)

開催場所

新潟県長岡市、信濃川河川敷

主催者

長岡市、一般財団法人長岡花火財団

開催時期

毎年8月2日、3日

公式サイト

https://nagaokamatsuri.com/ 

【長岡花火公式】動画で伝えたい素顔の長岡花火 夏

歴史

長岡まつり大花火大会の目的は華やかな夏の大イベントとしてだけではありません。戦災犠牲者の慰霊、震災の復興祈願、世界平和への想いが込められた特別な花火大会です。その歴史を時代ごとに詳しく追ってみましょう。

明治~大正

長岡花火の歴史は古く、1879年(明治12年)に9月14日と15日の2日間に千手町八幡様の祭りにて、遊郭関係者が資金を出し合って350発もの花火を打ち上げたのが花火大会の始まりとされています。当初は玉の大きさも五寸、七寸(直径約150m〜220m)でしたが、大正時代に入ってからは規模を広げ二尺玉、三尺玉(直径約500m~650m)の打ち上げに成功しました。明治後期には堤防沿いの「桟敷席」が設置され、長岡市大煙火協会の設置など現在の花火大会の基礎が確立されます。大正時代には花火大会も市を挙げての一大行事になっていき、大正末期から昭和初期にかけては花火大会の一大発展期で全国的にも広く知られるようになってきました。

昭和時代

1927年(昭和2年)にはスターマイン(花火の打ち上げ方法で速射連発のこと)が初登場するものの、1937年(昭和12年)からは日中戦争の勃発により時代は次第に戦争へと傾いていきます。そしてついに1938年(昭和13年)より花火大会は中止に追い込まれました。1945年(昭和20年)8月1日の「長岡空襲」で街の8割が焼け野原となり、1488名もの人々が犠牲になりました。その忌まわしい空襲から1年後の8月1日と2日に「長崎復興祭」が開催され、戦後の1947年(昭和22年)、その復興祭にて花火大会が復活します。その後「長岡まつり」に改称され、長岡花火の名物の一つである「ナイアガラ瀑布」や大スターマインの登場で花火プログラムも進化していきます。

【2023長岡花火】ナイアガラ

平成~現代

平成に入ってからも花火の技術革新は目覚ましく、メッセージ花火など様々な花火が登場しました。しかし2004年(平成16年)10月、新潟県中越大地震が発生し、地域に甚大な被害をもたらしました。翌年には復興祈願花火「フェニックス」を打ち上げ、震災、災害で傷ついた人々を元気にしていく存在として全国にも認知され、現在も続いています、令和元年には過去最多の108万人が来場してフェニックスも特別バージョンで打ち上げられました。これまでに戦争以外での中止はなかったものの、2020年(令和2年)の新型コロナウイルス感染症の影響により2年連続で戦後初の中止となります2022年(令和4年)に3年ぶりの復活を遂げ、これより感染症対策や雑踏事故防止、熱中症対策などのため、観覧は全席有料となりました

見どころ 

10000発、約110分間にわたる壮大なショー、さまざまな想いのもとに打ちあがる長岡まつりの花火の素晴らしさは見る人の心をつかんで止みません。そんな花火の見どころを3つ紹介します。

見どころその① 長岡花火名物!正三尺玉(しょうさんしゃくだま)花火

正三尺玉(しょうさんしゃくだま)花火

正三尺玉(しょうさんしゃくだま)花火

写真は ja.m.wikipedia.org より

長岡花火を代表する名物花火です。直径90cm重さ300kgの巨大な玉が600mの上空で直径650mもの大輪の花を咲かせます。2回にわけて打ち上げられますが、それぞれ光り方が変わるのも興味深いです。

見どころその② 米100俵花火・尺玉100連発

1986年市制施行80周年を記念して誕生した花火。シンガーソングライターの沢田知可子さんが歌う長岡復興応援ソング「空を見上げてごらん」をバックに尺玉花火が100発連続で打ちあがるさまは圧巻です。

見どころその③ 音楽と融合、圧巻の花火ショー!復興祈願花火フェニックス

2004年に発生した中越大地震からの復興を祈願して翌年から毎年打ち上げられるようになった花火。2011年からは東日本大震災の復興祈願も兼ねて打ち上げられています。花火の中心にはフェニックス(不死鳥)に見立てた光跡が現れ、平原綾香さんの「ジュピター」の音楽と共に大手大橋の下流側を中心に2キロメートルにわたり連続で打ちあがります。

開催日程

毎年8月2日、3日。両日とも午後7時20分から午後9時10分まで

アクセス方法

8/2、3花火大会 交通規制図

8/2、3花火大会 交通規制図

写真は nagaokamatsuri.com より

長岡まつり大花火大会は信濃川河川敷A会場(右岸)B会場(左岸)にて開催されます。会場への行き方は以下の通りです。

JRの場合

JR長岡駅大手口より徒歩30分

シャトルバスの場合 

  • A会場(長岡駅側・右岸)で見る場合

    「湯沢・東京方面から」南部工業団地シャトルバス
    新潟味のれん前⇔市立劇場 往復500円 

    「新潟方面から」悠久山公園臨時バス
    悠久山バス停⇔長岡駅東口 片道210円   

  • B会場(長岡I.C側・左岸)で見る場合

    「新潟・湯沢・東京・上越方面から」丘陵公園シャトルバス
    国営越後丘陵公園⇔クスリのアオキ大島店 
    普通車1台2000円(シャトルバスのみは1000円)

車の場合

会場最寄りは長岡I.C。上越方面からは西山I.Cが便利だが会場近くはかなりの渋滞になり、駐車場の数には限りがあるので主催者は車以外の方法を強く推奨。会場近くに予約専用の臨時駐車場もあるがチケット所有者のみ利用可能。

関連施設

豆知識

それでは長岡まつり大花火大会についてさらに興味深い情報をご紹介します。

ハワイ・ホノルルでも長岡の花火が見ることができる?

長岡花火 | アロハストリート-ハワイ

ハワイ・ホノルルでも長岡の花火

写真は www.veltra.com より

実は長岡の花火はアメリカ・ハワイの地でも楽しむことができるのです。真珠湾攻撃と長岡大空襲、両市はかつて敵同士でした。そして真珠湾攻撃を指揮したのは、長岡市出身の山本五十六司令官でした。ですが戦後は結びつき交流していくことで日米の友好関係を深め、2012年には姉妹都市締結がなされます。この年からハワイの大イベント「ホノルルフェスティバル」にて最終日に長岡の花火が打ち上げられました。現在も平和に向けた強い想いがワイキキの空に花咲いています。

復興祈願花火フェニックスのBGMはなぜ「ジュピター」?

復興祈願花火フェニックスは、平原綾香さんのデビュー曲「ジュピター」がBGMになっています。この曲は中越大震災の時に、被災者を勇気づける応援歌として新潟県内のラジオ局に多くのリクエストがあったため、財団が採用を決めました。「わたしたちは誰もひとりじゃない」「望むように生きて 輝く未来を」という歌詞に多くの人が励まされ泣きました。平原さんも「この花火は私にとっても大切な宝物」とコメントを寄せ、震災から10年目の2014年には長岡まつりにて生歌披露も行っています。

A会場(右岸・東)B会場(左岸・西)どちらがいい?

花火は打ち上げ会場のほぼ真ん中から打ち上がり、その真ん中を流れる信濃川を挟みA会場、B会場が設営されています。なのでどちらを選んでも同じというのが大方の意見だそうですが、通な人は少しこだわりもあるとか。花火の破裂音は近くの山に反響して迫力を増すと言われているので、花火とともに大音量も体感したいなら東側のA会場からの鑑賞がおすすめです。フェニックス花火を大迫力で見たいならA会場にフェニックス席という座席が設定されています。出来るだけ近くで花火をみたいならB会場へ。写真に収まりきらないほど目前で見られる花火もあります。あとは帰り道の都合も考えておかなければいけません。終了後、人込みの流れに沿って円滑に向かうには長岡駅から帰るならA会場、長岡I.Cから帰るならB会場が鉄則です。

花火が一番きれいに見える場所はどこですか?

正三尺玉を見るなら長生橋(ちょうせいばし)上流から大手大橋下流まで、メインの打ち上げ花火を見るなら長生橋から大手大橋間、フェニックス花火を見るなら大手大橋下流がおすすめです。

天候によって中止や延期はありますか?

基本は雨天決行で、少しの雨なら開催します。中止・延期はほとんどありませんが、万が一の場合は当日朝7時ごろに決定します。

チケットは何歳から必要ですか?

小学生以上はチケットが必要です。未就学児は保護者などの膝のせで可能です。ただし、座席を取りたい場合は未就学児もチケットが必要です。

全席有料ですか?価格体系は?

2022年以降は全席有料になり、無料席は設けられていません。価格は有料自由席2000円からマス席48000円まで(2024年時価格。開催年により変動)と自由席から指定席まで様々な種類の座席が用意されています。詳しくは公式ホームページをご覧ください。

会場には屋台や出店はありますか?

屋台は長岡市中心部、長生橋周辺、信濃川河川敷などに出店しています。最近はキッチンカーが来ていることも。たこ焼き、フランクフルトなど屋台の定番メニューのほかご当地グルメまで幅広く楽しめます。飲料はアルコール類を含む飲料販売ブースの出店もあります。又、会場から徒歩圏に大型ショッピングモールもありますので、食べ物の調達には困らないでしょう。